非情のヒロインを通して、ケン・ローチが良心とは何かを問う『この自由な世界で』
イギリスの名匠ケン・ローチがカンヌ国際映画祭パルムドール受賞作『麦の穂をゆらす風』に続いて放った長編は、ロンドンの片隅でたくましく生きるシングルマザーの物語。働いていた職業紹介会社を納得のいかない理由で解雇されたヒロイン、アンジーは、ルームメイトの女性を仲間に誘い、持ち前のバイタリティで職業紹介所を自ら立ち上げることに。移民労働者たちに日々の仕事を世話しながら、ビジネスを軌道に乗せようと奔走する。しかし、不法移民に仕事をあてがう方がより儲けになると知った彼女は…。