幼い頃から病弱で家の中で過ごすことが多かったジョアン・カルロスだったが、ピアノを習い始めるとその才能が⼤きく開花する。めきめきとその才能を伸ばした彼は、20歳でクラシック⾳楽の殿堂として知られるカーネギーホールでの演奏デビューを飾り、“20世紀の最も偉⼤なバッハの奏者”として世界的に活躍するまでになる。⼀流の演奏家として世界を⾶び回っていたジョアンだったが不慮の事故により右⼿の3本の指に障害を抱えてしまう。ピアニストとして⽣命線である指が動かせなくなった彼は不屈の闘志でリハビリに励み再びピアニストして活動できるまでになる。復帰を果たし⾃⾝の代名詞ともいえるバッハの全ピアノ曲収録という偉業に挑戦をしていた彼にさらなる不幸がのしかかる…。
マウロ・リマ