恋する勇気を持てないまま大人になってしまったトオルに起きた2つの出会い。元バンドマンの旧友・龍也との再会、そして運命を変える詩との偶然の出会いにより、恋というものに生涯をかけて全力で駆けることになる。いままで手をつなぐことさえしてこなかったが、龍也の声に恋する勇気をもらい、その詩から恋に生きる力をもらったトオル。詩と触れるキッカケをくれた比呂乃との出会いを経て、ようやくめぐり会えた運命の少女・凪。詩を綴ることをやめたその少女は、トオルに生きる意味を教えてくれた。しかし、彼女にはある秘密があった。龍也の声が生んだ恋する勇気。凪の言葉が教えてくれた生きる意味。そしてトオルが2人に気付かせた、“本当にやりたいこと”。限られた時間の中で3人の”本当”が重なったとき、一つの唄が生まれる――。
川村泰祐