ここ数年、セレブリティのセンスもUP。人気スタイリストや懇意のデザイナーと手を組んで、センス良く仕上げている女性セレブが目立っています。その年のトレンドになりそうな要素をいち早く盛り込み、自分の肌や髪、雰囲気に合わせて着こなしている姿は実にお見事。昨年、2012年のアカデミー賞受賞式で目立ったのは、情熱の赤。レッドカーペットに赤を合わせてくるというのは、あまり効果的ではないように思えますが、オスカーのレッドカーペットは、日本の緋毛氈のような華やかな赤ではなく、少しくすんだ朱色。鮮やかな色を選ぶとグラデーション効果から、少し浮き上がったような存在感を放つのです。それを意識してのことかどうかはわかりませんが、ジャンバティスタ・バリのオートクチュールに身を包んだエマ・ストーンと、ルイ・ヴィトンをエレガントに着こなしたレイチェル・ウィリアムズ。ナタリー・ポートマンの赤も鮮やかでした。反対に、レッドカーペットとの強烈なコントラストでスポットライト効果を獲得していたのが、白を着ていたセレブ達。特に、トム・フォードを着たグウィネス・パルトロウ、クチュール感たっぷりのエリー・サーブを選んだミラ・ジョボヴィッチのグラマラスな姿は、女神のようでとっても“DIVINE!”でした。
以前は、ブラックドレスを選ぶ女性陣が多い時期もありました。確かに、フォーマルな席でブラックは鉄板。でも、やはりおしゃれ上級者にとっては、無難すぎる色なのかもしれません。黒はデザインによっては迫力がでるものの、ちょっとコンサバでつまらない印象にもなりかねません。しかも、男性陣の多くが黒のタキシードを着用するので、エスコートされる女性によほどの個性があるか、ドレスによほどのモード感があるということでもない限り、目立つことができないのです。黒で上手く行った例としては、昨年、ベロアのブラックドレスを着ていたアンジー。ヴェルサーチによるベロア地のベアトップドレスを着ていましたが、アンジーくらい本人に強烈な輝きと個性があれば問題なし。選んだドレスだって、生地やデザイン(スリットはかなり深め!)にあれほどの特徴があれば無難にまとまることもなく華やかに。フォーマルなアンジーには欠かせない真っ赤な唇も差し色として素敵でした。ただ、あのぐらいの迫力を、ブラックドレスで奏でるのは至難の業。好評価を得るには、かなりのおしゃれ上級者でなければ難しいでしょう。 さすがアンジー。
また、セレブ・ウォッチする側として、最近、ちょっと寂しいのが、あまり奇抜なファッションが見られないこと。それはつまり、大胆なチャレンジャーが少なくなっているということでもあるから。露出の仕方を間違えることで品がなくなってしまった、コンサバすぎて華やかさに欠けている、全体のバランスが悪い等の理由による“ワースト・ドレッサー”は常に存在するのですが、果敢なチャレンジの果てに悪評を食らってしまったというダイナミックな“ワースト・ドレッサー”はちょっとご無沙汰。ファッションの歴史は、チャレンジの歴史。そこにチャレンジャーがいるから進化するのです。今年、名誉あるチャレンジャーは登場するのでしょうか。私にはそこも気になるところ。挑戦者が現れた際には、たとえそれが誰であろうと、その勇気を讃え、温かい目で見守るつもりです。
さて、刻々と授賞式が近づいてくる中で、受賞、ファッションの両面で私が最も注目している人物といえば、『世界にひとつのプレイブック』で主演女優賞にノミネートされているジェニファー・ローレンス。女優としても、活躍目覚ましい若手の注目株です。そして、彼女はなかなかのファッショニスタ。彼女が公の場で纏うファッションにも注目しています。本来は、ゴージャスなブロンド・ガールですが、最近は作品のために染めたブルネットでシック&エキゾティックな印象に。アイメイクも常にしっかり囲み目。豊満なボディを強調したスタイルを披露することも多い彼女なので、髪は何色? ファッションは? メイクはしっかり?
それともナチュラル?など興味津々。映画界で最も権威あるアカデミー賞の席には、いったいどんな姿で現れるのか、
とても楽しみな一人です。
その他、ジェニファーのライバルとなる主演女優賞ノミニーでは、こちらも注目株のジェシカ・チャステイン(『ゼロ・ダーク・サーティ』)や、二度目のノミネートとなるナオミ・ワッツ(『インポッシブル』)、助演女優賞でノミネートされた、才能豊かでファッションセンスも抜群のアン・ハサウェイ(『レ・ミゼラブル』)、エイミー・アダムス(『ザ・マスター』)らにも注目です。
また、トレンドとして気になるのは、最近、セレブの中で圧倒的な支持を得ている素材のレースがどれほど幅をきかせるかということ。フォーマルの定番素材とはいえ、2013年はレースのアイテムを取り入れるセレブが急増中&個人的にも好きな素材なので、とても楽しみにしています。
いずれにしても、私たちにも待ちきれないアカデミー賞授賞式。今年も、一緒にお気に入りのセレブファッションを見つけましょう!
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- ペネロペ・クルス
- 「ジョルジオ・アルマーニ」のグレイッシュブルーのロングドレス
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- グウィネス・パルトロウ
- 「トム・フォード」のシンプルなデザインに、ケープが印象的
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- ベレニス・ベジョ
- 透け感が美しい「エリー・サーブ」の淡いミントのドレス
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- ルーニー・マーラ
- ラインが美しい「ジヴァンシィ」の白いドレス
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- オクタヴィア・スペンサー
- アメリカで活躍する日本人デザイナー、
庄司正のブランド「TADASHI SHOJI」
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- メリル・ストリープ
- 風格ある「ランバン」のゴールドドレス
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