最近のIUは、まさに視聴者の涙腺スイッチだ。母と娘、そして父親までも泣かせてしまう。芯のある確かな演技で毎週心に深い余韻を残しながら、オ・エスンとヤン・グムミョンという新たな人生キャラクターを作り上げている。
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IUは、Netflixドラマ『おつかれさま』で視聴者と再び出会っている。
この作品は全4幕・16話構成で、毎幕4話ずつ公開される形になっている。IUは本作で視聴者の涙を誘う1人2役を演じ、毎週さまざまな感情を自在に行き来しながら、まさに涙腺スイッチとなっている。
『おつかれさま』は、済州島で生まれた反抗心旺盛で聡明な少女オ・エスンと、不器用で誠実なヤン・グァンシクの冒険に満ちた人生を四季に分けて描く物語である。
IUは、オ・エスンの10代から30代まで、そしてその娘ヤン・グムミョンの役まで、2つのキャラクターを演じ分けている。オ・エスンとしては俳優パク・ボゴムと、ヤン・グムミョンとしてはムン・ソリ、パク・ヘジュン、イ・ジュニョンらと共演している。

『おつかれさま』は第1幕から、IUにとって新たな人生作品であり、人生キャラクターの誕生を予感させた。誰に対しても言いたいことをしっかりと言う芯の強さを持ち、オ・エスンというキャラクターに見事になりきった。
普段より高めの声で歯切れよく自己主張し、キャラクターの喜怒哀楽を巧みに表現。オ・エスンだけを想う一途なヤン・グァンシクを演じたパク・ボゴムとの共演では、初恋のときめきを可愛らしく描き出し、視聴者にときめきを与えた。

何よりもIUは、感情の起伏が激しいオ・エスンを繊細かつ深みのある演技で描き、視聴者から高く評価されている。しっかり者の顔立ちで学生時代のエスンを演じ、色白の肌を日に焼きながら、妻であり母であり嫁でもあるオ・エスンの姿を体現した。
当初の快活な少女から、妻、母、嫁へと変化する感情のグラデーションを、成熟した演技で丁寧に表現し、毎回強い余韻を残している。
特に印象的なのは、IUが大きな瞳に涙をたたえながらオ・エスンの喜怒哀楽を演じる場面である。ヤン・グァンシクの妻として、2人の子どもの母として、そして姑から辛く当たられる嫁としての心情を、深みのある表情で演じきっている。
依然として芯が強く聡明な少女の面影を残しつつ、母としては力強く、妻としては切なく、キャラクターの人生を説得力ある形で描いている。

そしてヤン・グムミョンとして登場してからは、IUの演技はさらに磨きがかかった。大学に通い、詩人を目指すというエスンの叶わなかった夢を引き継いだヤン・グムミョンは、母と似て非なる存在である。
ヤン・グムミョンは、どこにでもいる普通の娘たちの姿を投影したキャラクターで、IUはその役を通して、ムン・ソリやパク・ヘジュンとの親子関係を切なく、リアルに描き出した。
気を許しているからこそ苛立ちも見せるが、結局は涙を流しながらも互いを思い合う家族の姿は、毎週視聴者の涙腺を刺激している。若き日のオ・エスンを演じて人生最高の演技を見せたIUは、ヤン・グムミョンとしても“聡明な”演技を見せ、物語をしっかりと支えている。
普通だからこそ特別に感じられる親しみと切なさを帯びた演技で、またひとつ人生作品を塗り替えた、IUの確かな活躍である。
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