第97回アカデミー賞にて8部門ノミネート、脚色賞を受賞したレイフ・ファインズ主演、エドワード・ベルガー監督最新作『教皇選挙』が3月20日(木・祝)より全国公開。
今年度の賞レースでは「アンサンブル演技賞」を最多(20賞)受賞と、断トツの受賞数を誇る本作を支えるのは映画界を牽引する実力派キャストたち。
主演のレイフ・ファインズは「小さな役柄でさえキャスティングが秀逸だ」と、エドワード・ベルガー監督の卓越したセンスを絶賛。本作で監督が絶大な信頼を寄せる、賞レースを席巻する実力派俳優から異色の経歴を持つ長編映画デビューの俳優まで、国際色豊かなキャストを紹介する。

本作は、カトリックの総本山バチカンで、トップに君臨するローマ教皇を決める教皇選挙<コンクラーベ>の内幕を描く極上のミステリー。
ジャーナリスト兼作家のロバート・ハリスの原作を、『裏切りのサーカス』でアカデミー賞にノミネートされたピーター・ストローハンが脚色し、Netflixオリジナル映画『西部戦線異状なし』のエドワード・ベルガー監督が映画化。世界興行収入は1億ドルを突破している。
受賞歴豊かな実力派俳優から、異色の経歴を持つ新人俳優も
レイフ・ファインズ【ローレンス枢機卿】

ローマ教皇の逝去に伴い、コンクラーベを執り仕切ることになった首席枢機卿。水面下でうごめく陰謀や差別、スキャンダルの数々に頭を悩ませる。
演じたレイフ・ファインズは『ハリー・ポッター』シリーズ4作品で演じたヴォルデモート卿役、『007』シリーズのM役で人気を博す。
ローレンスについてレイフ・ファインズは「内面に矛盾を抱えたキャラクターに魅力を感じる。彼は聖人ではない。自分の道を見つけようとしている善良な人だ」と分析。原作の主人公はイタリア人だが、レイフ・ファインズがイギリス人だったため、主人公はイギリス人のローレンス枢機卿に変更された。
スタンリー・トゥッチ【ベリーニ枢機卿】

ローレンスの友人でバチカン教区のリベラル派の枢機卿。
演じたスタンリー・トゥッチは『ハンガー・ゲーム』シリーズでシーザー・フリッカーマン役を好演し、高い評価を得た。『ターミナル』(04)、『Shall we Dance? シャル・ウィ・ダンス?』(04)、『プラダを着た悪魔』(06)、『スポットライト 世紀のスクープ』(15)、『魔女がいっぱい』(20)などの話題作に出演。さらに、『ジャコメッティ 最後の肖像』(17)では監督も務め、多彩な才能を発揮している。
エドワード・ベルガー監督は「ベリーニ枢機卿とローレンス枢機卿は親友同士だが、その友情がコンクラーベの様々な問題によって試されるんだ。演じた2人のシーンは言葉によるフェンシングの試合のようだった」とコメントしている。
ジョン・リスゴー【トランブレ枢機卿】

モントリオール教区の保守派で虎視眈々と次期教皇の座を狙う枢機卿。
演じたジョン・リスゴーは『ガープの世界』(82)と『愛と追憶の日々』(83)で米アカデミー賞助演男優賞にノミネート。その後も映画、TVドラマ、舞台で活躍。『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』(11)や『インターステラー』(14)、『スキャンダル』(19)などに出演している。
監督は「とてつもないエネルギーの持ち主。役柄に深みとユーモア、温かみ、そして言葉による遊び心も添えてくれた」と、ジョン・リスゴーに絶賛を贈る。
ルシアン・ムサマティ【アデイエミ枢機卿】

ナイジェリア教区の枢機卿で、もし教皇になれば初のアフリカ出身教皇の誕生となるが…。
イギリス生まれだが、タンザニア人の両親によってジンバブエで育てられ、1994年にジンバブエのハラレでオーバー・ザ・エッジ・シアター・カンパニーを設立。舞台俳優として長く活躍している俳優で、2014年にイギリスにおけるアフリカ劇団ティアタ・ファホジの芸術監督に任命された。
映像作品では「ゲーム・オブ・スローンズ」の第二章~第四章における海賊サラドール・サーン役、「ギャング・オブ・ロンドン」のエドワード・ドゥマニ役などで知られる。
セルジオ・カステリット【テデスコ枢機卿】

ベネチア教区で、伝統主義の保守派の枢機卿。ベリーニ枢機卿と並ぶ有力候補。
1980年代初頭に映画デビューし、『かぼちゃ大王』(93)でダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞の主演男優賞、『マーサの幸せレシピ』(01)でヨーロッパ映画賞の男優賞を受賞。俳優業と並行して映画監督としても活躍し、監督作には主演を兼任した『赤いアモーレ』(04)、『ある愛へと続く旅』(12)など。
演じるテデスコ役は電子タバコを片手に大仰な立ち居振る舞いが印象的だが、演じる本人はイタリア映画界を代表するスーパースター。監督は「テデスコは他のキャラクターと違い、人生を謳歌し、権力を愛する男で、その権力を自分が手にしたいと考えている。それを見事に演じたセルジオは素晴らしい俳優です」と話している。
カルロス・ディエス【ベニテス枢機卿】

メキシコ人でカブール教区から新任。“イン・ペクトレ(秘密裏に)”任命された枢機卿。
演じるカルロスは建築家として30年間キャリアを築き上げた後、コロナウイルスパンデミック直前から演技の道に進み、これまでに2本の短編映画に出演。本作への出演は世界的なオーディションによって、ベニテス枢機卿役に抜擢された。長編映画初出演のカルロス・ディエスがどんな存在感を放つのか、注目だ。
イザベラ・ロッセリーニ【シスター・アグネス】

「聖マルタの家」の運営責任者でシスターたちのリーダー的存在。
デヴィッド・リンチ監督の『ブルーベルベット』(86)におけるクラブ歌手ドロシー役で鮮烈なインパクトを放ったイザベラ・ロッセリーニ。
ローマ出身でカトリックの学校に通い、修道女に教えを受けていたため、修道女に対して特別な敬意を抱いていたイザベラ・ロッセリーニだが、本作の出演時間はわずか7分51秒でセリフも少ない。
しかし監督は「イザベラは最小限の表情で見事な演技を披露できる稀有な人物」とその存在感を絶賛。アカデミー賞助演女優賞にもノミネートされた。
『教皇選挙』は3月20日(木・祝)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。