感情のコントロールは
「全部吐き出すこと」
――第1作から引き続き登場するヨロコビやカナシミたちも活躍しますが、ヨロコビが、失敗したり、ダメだった忘れたい思い出を全部捨ててしまおうとするところも、「失敗も含めて人生なんだ」という本作のメッセージを感じつつも、ついヨロコビの行動に共感してしまったり…。
すごくわかります(笑)。そこも含めて、本当にどの感情も人生において必要なんだって教えてくれるんですよね。どの感情も恥ずかしいことじゃなく、自分を成長させてくれるし、何かが欠けているとやっぱり成立しないし、欠けている部分を補ってくれるのも別の感情なんですよね。
感情のバランスとチームワークで人間って生きていて、自分の中で自分のことをコントロールして、問題を解決しようとする――まさに“インサイド・ヘッド”ですよね。本当にここに出てくるのは、言葉では表しにくいキャラクターたちなんだなぁって思います。
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――多部さん自身は、仕事やプライベートで、怒りや不安、緊張といった感情の波をどうやってコントロールされていますか? 気持ちを落ち着かせるために大切にされていることはありますか?
感情を落ち着かせるために大事にしているのは…全部吐き出すことですね。思ったことを思った時点で目の前の相手に伝えます。
――それは昔から? それとも大人になってから身に着けたことですか?
大人になってからのほうが言いたいことを言ってますね(笑)。もちろん、特定の相手に対してですけど。
――気持ちを素直に吐き出すことで、相手ともコミュニケーションを?
コミュニケーションというよりは、一方的に伝えていますね。「はぁ、スッキリした!」って(笑)。口に出すことで自分の中で整理できる部分もあると思います。言って楽になることってすごく多い。
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――映画ではライリーの思春期がフィーチャーされていますが、多部さん自身、年齢を重ねる中で、これまでになかった新たな感情をかき立てられるということはありますか?
最近、「図々しさ」と「開き直り」という感情が出てきましたね。いや、これは感情じゃないか…(笑)? 良いのか悪いのかはわかりませんが、図々しく生きてます(笑)!
――最後にこれまでに繰り返し観てきたお気に入りのディズニー&ピクサー作品があれば教えてください。
これは『モンスターズ・インク』一択です! これまでも何度も観ましたし、子どもが生まれてからも「ディズニープラス」で観てますし、それ以外の作品も幅広く観るようになったんですけど、やっぱり『モンスターズ・インク』だけは毎回泣いてます。一緒に観る友達にも「はい、いまから泣くんでしょ?」と言われながら、あのラストシーンのあの表情ですっごい泣きます。いま、思い出しただけでもグッときちゃうくらい、大好きです!