福士蒼汰と松本まりか、福地桃子と財前直見が監督の大森立嗣と『湖の女たち』について語るインタビュー映像が解禁された。
琵琶湖近くの介護療養施設、もみじ園で100歳の老人が不審な死を遂げた。殺人事件とにらんだ西湖署の若手刑事、濱中圭介(福士さん)とベテラン刑事の伊佐美(浅野忠信)は、容疑者と見なした当直の職員・松本(財前さん)への強引な追及を繰り返す。
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その捜査の陰で圭介は妊娠中の妻がいながら、取り調べ室で出会った介護士、豊田佳代(松本さん)への歪んだ支配欲を抱き、佳代も極限の恐怖のなかで内なる倒錯的な欲望に目覚めていく。
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一方、東京からやってきた週刊誌記者、池田(福地さん)は、17年前にこの地域で発生した薬害事件を取材するうちに、もみじ園で死亡した老人と旧満州との関連性を突き止める…。
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社会通念を逸脱した難役に挑んだ福士さんと松本さん。インタビューにて圭介と佳代の関係について聞かれると「圭介は終わらそうとするのに、佳代は続けようとするところが罪深い」(福士さん)、「性の快感を得ることって、悪いことのように感じてしまう」(松本さん)とそれぞれふり返り、本作でのアンモラルな関係の魅力を探る。
撮影現場では、あえて話さなかったという2人だが、このインタビューで「お互いが同じ役作りの手法を取っていた」という点で納得、松本さんは「極限状態にしてくれたことが、いろんなことを(超える)突破口になった」と、福士さんに対して感謝の気持ちを示した。
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そして、話題は湖で行われたクライマックスシーンへ。当初予定していたスケジュールが悪天候のために中断され、翌日に持ち越しとなった撮影について大森監督が話し、湖に浮かぶボートの上に立ちすくむ圭介の緊迫したメイキングシーンが映し出される。
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W主演を張った福士さんと松本さんは、クライマックスで「心が一つになった瞬間だった」と話している。
また、週刊誌記者を演じた福地さんに対し、監督がオーデションでかけたひと言や、介護士・松本を演じた財前さんの起用のきっかけや、財前さん自身が語る本作の魅力などが、たっぷりと語られている。
最後に5人が思う“『湖の女たち』とは”が語られる。福地さんの「共感できる部分」とは? 財前さんの「露わにしたくない部分も、湖が全て受けてくれる」という思い、松本さんの「私が居たい場所はここだ。と全細胞が思った」という真意、そして、福士さんが思う「堆積」とは?
大森監督が作品に込めた「世界は美しいのか、僕たちが生きるに値する場所なのか、ということを考えるきっかけになったら」というそれぞれの思いが溢れるインタビューとなっている。
『湖の女たち』は全国にて公開中。