アカデミー賞作品賞&脚本賞Wノミネートを果たした、A24と韓国CJ ENM初の共同製作で贈る注目作『パスト ライブス/再会』。この度、長回し1テイクで撮影したという本作のラストシーンの場面写真が解禁となった。
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ニューヨークで再会の数日間を過ごしたノラとヘソン、まだ暗い明け方に見つめ合う2人の様子が切り取られた本シーン。
本作を鑑賞したマスコミ陣からは「ロマンチックなのに禁欲的」「お互いの感情を抑えた前半がラストシーンに繋がっている」「ラストシーンは涙が止まらなかった」「久しぶりに試写室で号泣した」などの感想が上がっているという。
ノラとへソンはお互いに視線をそらさずに向き合うが、口にする言葉はない。幼なじみという関係性を変えるのには十分な時間だったはず。
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ノラを演じたグレタ・リーは「あのシーンだけでも1本の映画になるくらいだと思いました」と撮影をふり返る。
「あの瞬間、本当に数えきれないくらいの感情が渦巻いていて…。脚本では2分と書かれていたのですが、実際は45秒でした。監督のセリーヌ(・ソン)は、この時間を耐えられないくらい長くて、同時にものすごく短いようにも描きたいと言っていたのですが、それは私も演じていて本能的に感じることが出来ました」と明かす。
また、このシーンは長回しの1テイクで撮り切ったという。「どのような撮影になるのか事前にしっかりと教えてもらっていませんでした。でもそれがセリーヌの素晴らしいところで、彼女には決断力があって何をどうしたいのか明確に分かっていたんです」とグレタは語る。
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実際に、彼女とヘソンを演じたユ・テオはお互いに向き合うという演出と、カメラの位置だけは分かっていたものの、それ以外は何も知らされていなかったそうだ。
ユ・テオにとってもこのシーンの撮影は印象深かったようで、「まるで永遠かに思えました」と語る。セリーヌ・ソン監督の演出については、「これだ!と監督が思える演技ではないといけないと考えていました。なので、自分の持っているものをこのシーンに全て出し切りました」という。
「言えないこと・見せないことにとても価値があると思ったからです。このシーンには、完全にセリーヌの監督としての才能が表れていると思います」と、その魅力に触れた。
まるでドキュメンタリーのように、その場で生まれる心の動きをリアルに写し出した、奥ゆかしくて美しい、抑制されるほどに官能的でもあるラストシーン。『パスト ライブス/再会』を唯一無二の映画にした、映画史に残るであろう奇跡のような1シーンとなっている。
『パスト ライブス/再会』はTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開中。