第78回ゴールデングローブ賞最優秀外国映画部門インド代表10作中の1本にセレクトされた『ただ空高く舞え』と、『BANGBANG! バンバン!』『WAR!ウォー』のリティク・ローシャン主演のクライムサスペンス『ヴィクラムとヴェーダ』2作品の予告編が公開された。
嘲られ、貶められ続け、男たち3人が大空を仰ぎ見て前進する姿を描く『ただ空高く舞え』は、インド初の格安航空会社「エア・デカン」の創設者G・R・ゴーピナート大尉の自伝的著作「Simply Fly: A Deccan Odyssey」(2010年発行)にインスパイアされ実写化。インドの女性監督スダー・コーングラーが10年の歳月をかけて調べ温めた企画で、タミル語映画の大スターであるスーリヤが製作に乗り出し、自ら主演も果たしている。
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予告編は、具合の悪い父の元へなんとか帰ろうとするネドゥマーランの姿から始まる。飛行機のエコノミー席がなく、倍の金額のビジネスクラスが買えない。誰も助けてくれず、父に会うことは叶わない。ネドゥマーランの「航空会社を作りたい」という話に、「資金はどうするの?」とパン屋を営む後の妻ボンミが問う。
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「1日で法律を変えられる」という航空会社の社長等、数々の妨害が彼を襲う。しかし故郷の人々がなけなしのお金を持ち寄るなど、周囲の人々はネドゥマーランを応援。妻と一緒に空に飛行機の絵を指で描くネドゥマーラン。彼の夢は「1ルピーで乗れる飛行機を、空に飛ばずこと」。妨害にも負けず、倒れても立ち上がり、一心に夢に邁進する姿は、まさにインド版「半沢直樹」のようだ。
『ヴィクラムとヴェーダ』の予告編は、犯罪者の集まる場所へ、ヴィクラムたちが扉を蹴破って入って行くシーンから始まる。命乞いをする男を拳銃で撃つと、彼の手に拳銃を握らせるヴィクラム。そして筋書を話して、チームに共有。実はこれは偽装襲撃で、ある人物を追っているのだ。ヴィクラムが追うのは、知らぬ者はいない程の悪党ヴェーダ。12人の警護を付けた有力者を、その真ん中に飛び込み、ひとり刀で殺した話は、新人を震え上がらせる。
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そして「悪とは?」という問いかけの後、突然、ヴェーダが警察に現れ、自首してくるシーンが映し出されると、取り調べ室のヴィクラムとヴェーダの会話は、善悪の境界線を曖昧にするような問答に。なぜ自首したか分からないと感じるヴィクラムに、ヴェーダは「あなたが考えて」と問いかける。
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永遠に問われる、善と悪との境界線という問いかけ。その後、雨の中で殴り合うヴィクラムとヴェーダの姿を映し、その後の本編の展開を期待させる映像となっている。
『ヴィクラムとヴェーダ』は、第68回フィルムフェア賞で、主演男優賞(ローシャン)を含む8部門にノミネートされ、最優秀アクション賞を受賞。オリジナルがタミル語映画となる本作は、古くから伝承されたインドの説話集「屍鬼二十五話」を基にしながら、アクションを融合させている。
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『ただ空高く舞え』『ヴィクラムとヴェーダ』は2024年1月6日(土)より新宿K‘s cinemaほか全国にて順次公開。