真木よう子主演、今泉力哉監督作『アンダーカレント』より、原作漫画でリリー・フランキーがモデルだという探偵・山崎のキャスティングと撮影時のエピソードが明かされた。
豊田徹也の同名長編漫画を映画化した本作。原作漫画の探偵・山崎のモデルは、映画版で同役を演じるリリー・フランキーであるという。
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リリー・フランキー演じる山崎道夫は、失踪したかなえの夫・悟を探すことになる探偵。カラオケボックスでの調査報告後、ショックを受けるかなえの前で一人熱唱するなど、言動全てが常識から外れている。他人の厄介ごとなんて一番苦手と言いながら、かなえに対しては親身になっていく…という役どころだ。
原作者の豊田徹也氏はこのキャラクターを当時、河出書房新社から発売されている季刊文芸誌「文藝」で特集されていたリリー・フランキーの写真を見ながらイメージを膨らませて描いたそう。それから20年近く経つものの、実際にモデルである俳優リリー・フランキーが演じることになった山崎の場面写真と、原作漫画のカットを比べると、確かに雰囲気がそっくりだ。
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山崎役のキャスティングについて、今泉力哉監督は「豊田先生から『是非リリーさんで』というプレッシャーは全くなかった」と前置きしつつ「適当な男に見えて、実は一番の切れ者。少し色気もあるという独特の佇まいが出せる人は、やはりリリーさんしか考えられませんでした」と指摘している。
豊田氏とリリー・フランキーは撮影現場で初対面。リリー・フランキーは自身がモデルであることをその場で直接豊田氏に聞いてから「緊張感が出た(笑)」と胸の内を明かし、「探偵ぽくならないといけない部分となってはいけない部分とのバランスが難しかった。山崎の中でも、かなえとの距離感が縮まっていく感じとか、探偵ではない部分の匂いができるだけ出たらいいと思って演じた」とふり返っている。
『アンダーカレント』は10月6日(金)より全国にて公開。