サンダンス映画祭で注目を集めた話題作『シアター・キャンプ』より本編映像が解禁された。
本作は、『リトル・ミス・サンシャイン』や『ジョジョ・ラビット』のサーチライト・ピクチャーズが贈る最新作。
この度解禁された本編映像では、シアター・スクール“アディロンド・アクト”で、音楽講師のレベッカ(モリー・ゴードン)と演技講師のエイモス(ベン・プラット)が子役たちとともに、最初のリハーサルを行おうとする様子が切り取られている。
シアター・スクールの経営者としてアディロンド・アクトを牽引してきたジョーンが倒れてしまい、どうにかして自分たちだけでミュージカルを完成させなければならなくなったレベッカたち。
演目も決まり、期待と不安がいっぱいの最初のリハーサルではレベッカとエイモスが子役たちの前でスピーチ。「肉体的にも精神的にも過去イチ野心的な作品だ。3週間で最高傑作に仕上げる」とエイモスから厳しいことを言われながらも、その言葉に鼓舞されていく子どもたち。
しかし次にエイモスが「君らにかかってる。ジョーンの回復も功績も」と語り、レベッカが「でもみんなは才能の塊だから限界を打ち破れる。心も体もボロボロになるかも…」と続けると、端々に感じられる不穏な雰囲気に笑顔だった子供たちの表情が少しずつ曇りはじめる…。
ジョーンがいなくても、いやジョーンがいなくとも必ず成功させなければいけないという、実質アディロンド・アクト史上最高に重要といっても過言ではない演目だが、その“ただ事ではない”感を察し始めた子どもたちは、この先に待ち受けるレベッカとエイモスたちによるレッスンを無事に乗り越え、ミュージカルを完成させることはできるのか…!?
波乱が待ち受けるであろうこの先の物語の行方がますます気になる映像となっている。
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映画の構成から映像のタッチまで全編をドキュメンタリー映像のように見せかけて演出する“モキュメンタリー・スタイル”で展開していくことが魅力のひとつでもある本作。監督のニック・リーバーマンと主演も兼任しているモリー・ゴードンはプライベートでもパートナーという関係だが、13歳の頃から親交があったといい、「私たちは以前から、面白いほどにばかばかしく、しかし自然体で映画的な手法で捉えた作品を作りたいと考えていました」と長年の夢でもあったモキュメンタリー作品への想いを語る。
ドキュメンタリー映画としては定番のインタビューやナレーションに頼らない演出で、アメリカン・ドキュメンタリーの金字塔とも呼ばれる『セールスマン』(69)や『ドント・ルック・バック』(67)のD・A・ペネベイカー監督による『クリントンを大統領にした男』(93)といった真実をそのまま描く映画に見られるコメディを意識したモキュメンタリーを目指しながら、『ドッグ・ショウ!』(00)や『みんなのうた』(03)を手掛けたクリストファー・ゲスト監督にみられるコメディタッチのモキュメンタリー作品にインスピレーションを得たという。
「私たちはロバート・アルトマンやクリストファー・ゲストのような、アンサンブルを基盤とした即興のスピリットが昔から大好きでした。お互いをよく知る俳優たちが、カメラの前で羽を伸ばすことでしか生まれない特別なエネルギーを持った何かを作り出すことを夢見ていたのです」とも語っている。
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今作では大人のキャストのほかに、劇中でも現実でも名子役として活躍しているキャストたちも集結しており、年齢層も様々。子役に関しては瑞々しさまで溢れたモキュメンタリータッチの即興芝居を目の当たりにすることができる。解禁された映像でも、まるで本物の表情のような自然体の子役たちの様子が垣間見える。
そんな名優たちの贅沢なアンサンブルがリアルなタッチで展開し、さらにはミュージカルへと発展していく。新たなモキュメンタリー作品の傑作とも言える本作の、感動の大団円に注目してほしい。
『シアター・キャンプ』は10月6日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開。