主演に宮沢りえ、共演にオダギリジョー、磯村勇斗、二階堂ふみを迎えた石井裕也監督・脚本の映画『月』。10月4日より開催予定の第28回釜山国際映画祭ジソク部門(Jiseok部門)への出品も決定した本作から、衝撃の予告編映像が解禁された。
作家・辺見庸が実際の障害者殺傷事件をモチーフに、事件を生み出した社会的背景と人間存在の深部に小説という形で切り込んだ原作「月」を映画化した本作。コロナ禍を生きる親子を描いた『茜色に焼かれる』、新作『愛にイナズマ』などで知られる石井監督は原作を独自に再構成した。
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解禁された予告編は、重度障害者施設の日常から始まり、40歳を超えて新たな命を宿した主人公・洋子(宮沢りえ)と、「二人で頑張ろう!」と胸を張る夫の昌平(オダギリジョー)の姿が映し出される。
そして新生活が始まるや、「知ってる? 施設は森の中にあるの。隠されているのよ。本当は誰も現実を見たくないからでしょ」という陽子(二階堂ふみ)の言葉から、不穏な空気が漂い始める。
洋子が見た障害者施設の現実は、暴力と虐待。次第に疲弊していく洋子に声をかけたのは、さとくん(磯村勇斗)だった。「変えたほうがよくないですか?」と真っ直ぐに洋子を見つめ、衝撃的な行動に出るさとくんと、取り乱しながら「私はあなたを絶対に認めない」と否定する洋子。両者の「いのち」をめぐる戦いが展開していく。
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目を背けたくなるが目が離せない衝撃の描写から、最後に語られる洋子の「生きててよかった」というひと言が後を引く映像となっている。
『月』は10月13日(金)より新宿バルト9、ユーロスペースほか全国にて公開。