20世紀で最も偉大な芸術家の1人、サルバドール・ダリがポップカルチャー全盛期を迎えた70年代のニューヨークで過ごした姿を描く『ウェルカム トゥ ダリ』。ベン・キングズレー扮するダリの奇想天外な人生を目撃する青年・ジェームス役を演じるのは、本作が長編映画デビューとなる新人俳優のクリストファー・ブライニー。監督のメアリー・ハロンは、「NetflixやAmazonのシリーズにもまだ起用されたことのないようなフレッシュな俳優」を希望していたことを明かした。
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劇中で、ジェームズはダリに「天使の顔だ」と気に入られた青年で、脚本では「カラヴァッジョの絵画に出てきそうな顔」と書かれているキャラクター。
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ハロン監督は天使のような美貌と演技力を求めて、「NetflixやAmazonのシリーズにもまだ起用されたことのないようなフレッシュな俳優」を探して、ロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルスの名門演劇学校を卒業した俳優名簿を入手し、各演劇学校の卒業公演をオンラインで視聴した末、クリストファー・ブライニーという新星を見つけた。
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ハロン監督は「彼の写真を見た瞬間、この子こそジェームスだってピンときました。台詞を読んでいる姿を撮影したセルフテープが、とても自然体で良かった。何百人という俳優を見たけれど、彼以上の人はいませんでした」と大絶賛。その先見性のとおり、クリストファーは本作撮影後、Amazon Prime Videoオリジナルドラマ「私たちの青い夏」でヒロインの相手役に抜擢され、スター街道を歩き始めている。
この大抜擢にクリストファーは「こんな機会をもらえるなんて本当に信じられません」と驚きを隠せない。演じるジェームズは「物語を語るレンズのような存在」と精細なキャラクターと分析し、「彼は〈ダリ〉の世界に連れて行かれ、観客の視点で物事を捉えていく。僕が役作りで意識したのは、彼らが実際に生きていた世界を知り、演じる前にその世界を愛することでした」と話す。
撮影初日はベン・キングズレーとエズラ・ミラーの2人との共演シーンだったと言う。「エズラ・ミラーを見ながら、ベン卿の後ろに立っているだけでしたが、人生であれほど震えたことはなかったと思います。自分の立っている場所、自分の身に起きていることが現実だとは到底思えませんでした。現場のスピード感、みんなの働きぶり、そして不思議な雰囲気と現場の仕組みに圧倒されました」と、ふり返った。
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そして本作についてクリストファーは、「この映画を一言で表現するなら『夢の世界を巡る日帰り旅行』かな。ジェームズは、〈ダリ〉自身が身を置いたシュールな世界へ小旅行に出るんです」とアピール。長編映画デビュー作で名優・人気俳優に物怖じせず、鮮烈な存在感を放つクリストファー。本作で発掘された新星の活躍が期待されている。
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『ウェルカム トゥ ダリ』は9月1日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開。