地上最速でプレミア配信がスタートした映画『ザ・フラッシュ』の造形美術監督を務めたピエール・ボハナのインタビューが公開された。
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DCシリーズでは『ダークナイト』、『ハリー・ポッター』シリーズでは魔法の杖や帚、クィディッチのスニッチなど、全シリーズのほとんどの小道具を手掛けたピエール。本作では、フラッシュスーツやバットスーツなどのデザイン監修や小道具制作に携わった。
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お気に入りの演出や、注目して見てほしいポイントを問われると、「現場ではバットフラッシュと呼んでいたんですが、バットスーツをDIYして作るフラッシュのスーツはかなり楽しかった!ダークフラッシュのスーツも楽しかったですよ。あれも僕らの手で作ったものですが、きちんと物語性のあるスーツで、パフォーマンス的にも満足しています。他にもいろいろありますが、小道具的にはバットウィングの内装。チームみんなで楽しく作業しました(笑)」とふり返る。
フラッシュやバットマンの衣装でパワーアップされた部分については、「歴史を辿れば、『ジャスティス・リーグ』でのフラッシュのスーツはほとんど手作りです。それに対して、今回のフラッシュのスーツは、ウェイン・インダストリーズが製造しています。だから、その辺のエンジニアリング/工業的な複雑さを表現したいと考えました。また、フラッシュ自身の中にあるすべてのエネルギーに対し、スーツがどのように対応・反応するのか、というようなことを考慮したし、弾力性も感じさせたかった。これだけ高速で移動するのだから、摩擦などのことを考えると当然、普通の生地は使えないですよね。今回の、多層構造で、機敏に動けるスーツの外装は、そういったアイディアを視覚的に表現したものなんです」と回答。
30年ぶりにマイケル・キートンがバットマンを演じている今作だが、カウルのフィッティング時のエピソードを明かしてくれた。「僕らはマイケルがちょっとでも首を動かせるように今回はかなり努力し、頑張っていたんです。というのも、彼の初期のスーツでは、明らかに首が完全に固定されていましたからね。横を向くにも体ごととか、肩を回さなければいけなかった。だから、最初の正式なフィッティングの時に、マイケルにカウルをかぶせながら『今回はかなり動かせるようにしました。』って話したんです」。しかし、「それは不要だな」と言われたそう。
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「『動かせない方がいい。ロボットみたいに固定された首じゃないと。あれが、僕が演じるバットマンのパフォーマンスだからね』って言われたんです。なので僕は『ああそうなんですね』って(笑)もちろん与えられた条件下で見事に演技をしてくれましたが、オリジナルのスーツでの制限が彼の演技をそこまで助けていたというのは興味深いですよね」と説明している。
『ザ・フラッシュ』プレミア配信は7月28日(金)よりiTunes、Amazonプライム・ビデオ、TELASA、U-NEXTほかにて配信。