第23回東京フィルメックス コンペティション部門最優秀作品賞の『沈黙の自叙伝』が9月中旬より公開されることが決定した。
青年ラキブの父は刑務所に、兄は海外に出稼ぎに出ている。彼は、インドネシアの田舎町で何世紀にもわたり一族で仕えてきた、退役した将軍プルナが所有する空き屋敷で、たった一人の使用人として働くことになる。プルナはラキブに対して立場を超えたように親身に接し、父親代わりの存在となりつつあった。ラキブ自身もプルナのアシスタントとして、仕事と生活の中で天職を見出す。そして、地元の首長選挙に立候補した将軍の選挙キャンペーンが始まり、2人の運命も大きく動き出す…。
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長編第一作となるインドネシアの新鋭マクバル・ムバラクが暴力と欺瞞に満ちたインドネシアの近現代を寓話的に描き、ヴェネチア映画祭国際映画批評家連盟賞、東京フィルメックス最優秀賞を受賞した衝撃作だ。
東京フィルメックス審査委員長のリティ・パン監督(『消えた画 クメール・ルージュの真実』)からは、「見事な演出による自信に満ちた映画スタイル。巨大な網に対する個人の抵抗の探求が次第に権力構造の不穏な邪悪さへと変化する様子を描いている」と絶賛された。
『沈黙の自叙伝』は9月中旬よりシアター・イメージフォーラムほか全国にて順次公開。