「マンダロリアン」シーズン3・5話「チャプター21:海賊」では、シーズン1の主な舞台となり、“マンドー”ことディン・ジャリンの盟友グリーフ・カルガが上級監督官を務めている惑星ネヴァロが海賊のギリアン・シャードに襲われてしまう。
ディンらマンダロリアンたちは集団戦闘作戦に優れたボ=カターン・クライズの指揮のもとでネヴァロ奪還へと向かい、新しい“故郷”を手に入れた。だが、その一方で、権威主義的な新共和国のあり方をまたも目の当たりにすることに。ただ、今後の展開がかなり楽しみになる嬉しいサプライズもあった。
「ようこそ、そしてありがとう」ネヴァロが新しい故郷に
シーズン1では帝国の残党モフ・ギデオンの保護下のもと、賞金稼ぎギルドのリーダーをしていたグリーフ・カルガ。いまではネヴァロを開拓し、発展させようと尽力していた。シーズン3・1話(チャプター17)でもマンドーに土地を分けるから保安官にならないかと誘っていたが、そのときに揉めた海賊たちが反撃にやってくる。
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巨大な船で空に陣取り、市民の生活圏をめがけて砲撃を行うやり方はかなり“帝国的”。新共和国アデルファイ基地のキャプテン・カーソン・テヴァの直感の通りに、“嫌な予感がする”。
それでも助けに向かったディンたちマンダロリアンは、ボ=カターンの指揮による見事な作戦で海賊たちを追い払った。やはり彼女には、持って生まれたリーダー気質というのか、徹底した指導者教育が背景にうかがえ、今回もマンダロリアンの団体戦は見応えあり、ワクワクするものとなった。何より、形骸化して腑抜けになった新共和国とは対照的に、未来のために団結して闘うマンダロリアンの姿こそが反乱軍のようでもあった。
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そして恩義を感じたカルガの計らいにより、マンダロリアンはネヴァロに新しい故郷を得ることになる。ネヴァロは帝国の残党からも新共和国からも自由、今度は薄暗い下水道でも、洞窟でもない、子どもたちが光の下で暮らせるまさに新天地だ。
その立役者となったボ=カターンは、アーマラーに認められ、「我らが道」の“チルドレン・オブ・ザ・ウォッチ”と外の世界に追放されたマンダロリアンを再び1つにする橋渡し役として、銀河中に散らばったマンダロリアンを迎えに行く任務を受ける。
かつて、平和主義者の姉サディーン・クライスと袂を分かち、シスに取り入った“デス・ウォッチ”のプレ・ヴィズラの副官となり、やがては“ナイトアウル”として離反しダース・モールと闘うなど、身内で散々争ってきたマンダロリアンの中心にいたボ=カターン。そんな彼女が各々の「我らの道」を1つにして、ともに歩み出すための橋渡し役になるなんて、なんだか胸がいっぱいになってしまう。
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ボ=カターンが故郷で目にしたマンダロアの伝説の生きもの、ミソソーの出現は“新時代の到来”を意味するという預言もある。マンダロリアンはここから、新たな“故郷”で新たな時代が始まっていくのだ。
ボ=カターンをはじめとするマンダロリアンの過去については、ディズニープラスには「マンダロアへの帰還」としてアニメシリーズの「クローン・ウォーズ」や「反乱者たち」での闘いがまとめられているので、それをひとまず追ってみるのもオススメだ。
「もう反乱軍ではない」新共和国
カルガが海賊に襲われる中、「助けて、オビ=ワン・ケノービ」のごとくメッセージを送った相手はキャプテン・テヴァ。これまで本シリーズと「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」に合わせて3度登場している、新共和国のパトロールパイロットだ。シーズン2・2話「チャプター10:乗客」に初登場すると、氷の星でアイススパイダーに襲われ身動きがとれなくなっていたディンやグローグーたちを助けてくれた。「いまは大変な時代だから」と見逃してくれた恩人である。
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そんなキャプテン・テヴァがネヴァロを助けたいとコルサントまで出向いたものの、タトル大佐はかつて帝国の残党がのさばりタイファイターが飛んでいたような、新共和国に加盟していないネヴァロのために援軍を送るわけにはいかないと言う。「我々はもう反乱軍ではない」のだから加盟国を優先すべきというのは確かにそうだが、その排他的体制は帝国といったい何が違うというのだろう。
その場には、「チャプター19:改心」に登場したアムネスティ・オフィサーG68こと、モフ・ギデオンの元部下イライア・ケインもいて、タトル大佐を扇動するかのように肩を持つ。かつて民の自由のために団結した反乱軍とは思えないこの有り様を、レイア・オーガナ将軍が見たらどう思っただろう。
また、ラストでは、キャプテン・テヴァがモフ・ギデオンを護送していたはずの破損したシャトルを発見している。モフ・ギデオンは法廷に出廷しておらず、遺体もない。船内にはベスカーの欠片が残されており、マンダロリアンとの対立を装った陰謀の影を感じずにはいられない。盤石とはいえない新共和国では、確実に何かが起こっている。
アニメ「反乱者たち」の実写キャラ登場に期待
今回のキーパーソン、カーソン・テヴァを演じたのは、コメディドラマ「Kim's Convenience」に出演している韓国系カナダ人俳優で「スター・ウォーズ」のコスプレ好きというポール・サンヒョン・リー。カナダのCBCニュースによれば、本作のクリエイター、デイヴ・フィローニが彼のファンで、「オビ=ワン・ケノービ」シリーズ監督も手がけた同郷のデボラ・チョウ監督が紹介したという。
カーソン・テヴァが登場するアデルファイ基地は今回、ファンが沸いたシーンの1つでもある。基地やバーにいるオレンジ色のユニフォームを着たパイロットたちはおそらくSWファンのエキストラでは? バーのカウンターにはキャプテン・テヴァの“相棒”トラッパー・ウルフを演じていたフィローニや、チョウ、リック・ファミュイワと製作陣もカメオ出演している!
そしてなんとアニメシリーズ「反乱者たち」のメインキャラクターの1人、ゼブことガラゼブ・オレリオスが実写で登場した! 「反乱者たち」は「マンダロリアン」より前の時代、「キャシアン・アンドー」と同じ頃の『エピソード3/シスの復讐』~『エピソード4/新たなる希望』の反乱組織の団結を描いた物語ではあるが、今年は「反乱者たち」と関わり深い「アソーカ」(原題)が控えていることもあって、実写の彼らがサプライズで来るかもとは若干期待はしていた。
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「反乱者たち」からは『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』にもドロイドのチョッパーや貨物船ゴーストが登場したことがあり、元帝国保安局のスパイ、カラスと仲良くやっていると思っていたゼブがこうして新共和国の一員になったんだなと思うと感慨深い。
「反乱者たち」の実写キャラで特に楽しみなのはもちろん、マンダロリアンのサビーヌ・レンだ。「スター・ウォーズ・セレブレーション 2022」にアソーカ・タノ役のロザリオ・ドーソンと現れた、「ザ・ソサエティ」や映画『グレイテスト・ショーマン』に出演してきたナターシャ・リュー・ボルディッゾが抜擢されている。
「反乱者たち」シーズン4ではサビーヌ・レンからボ=カターンにダークセイバーが託されたはずなのに、それをなぜ「マンダロリアン」ではモフ・ギデオンが手にしていたのか。この辺りの解明を待ってます!
「マンダロリアン」シーズン3は毎週水曜日にディズニープラスにて独占配信中。
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