魂の救済に真っ向から挑んだインド人監督アンシュル・チョウハンの最新作『赦し』。本作で、かつてひとり娘を失った妻(MUGUMI)の現在の夫・岡崎直樹を演じた「オリエンタルラジオ」藤森慎吾のインタビュー動画が到着、役者として新境地を開いた本作の役どころや撮影裏について語っている。
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娘を殺された元夫婦と、犯行時に未成年だった加害者の女性。癒やしようのない苦しみに囚われた3人の葛藤を見すえていく本作。

ひとり娘を失った深い喪失感から必死に立ち直ろうとする澄子(MUGUMI)を優しく見守りながらも、徐々に亀裂が入っていく夫婦の行き場のない葛藤や怒りを熱演した藤森さん。
MEGUMIさんとは「台本を一緒に読んで、しっかりと本に書いてある部分以外を、二人でこういった背景があるのかなとか、そういったことをディスカッションしました」と夫婦の関係性の構築にしっかりと時間を割いたという。
役作りについては「この役がここに至るまでにどういった人生を歩んできたのかなっていうことを、脚本を飛び越えて想像しながら作っていった」と明かす。

「基本的には何も演じるな」インド人監督のアドバイスに驚き
優れたコメディアンだからシリアスな演技もできると、アンシュル監督からの信頼を得ている藤森さんだが、「言葉はそこまで重要じゃないなって思うくらいしっかりと的確なアドバイスをいただけました」と撮影現場をふり返る。

その演出についても「ここでこういう芝居をしてほしいとか、こういう身振りをしてほしいとかそういうことではなくて、いかに澄子との日常生活の中に僕が旦那として溶け込むかということを重点的に指導いただいたかなと思っています。基本的には何も演じるな、と言われました。セリフも発しようとするとカットが入って、言葉を届けようとしなくていいと言われた記憶があります」とアンシュル監督ならではのアドバイスを語る。
そして、映画『赦し』が観客に問いかけるテーマについては「正直重いです」としつつ、それでも「殺人事件が絡んでるとは言え、誰の身にも起こりうるような、そういった内容が含まれていると思います。タイトルにもある“赦し”、この意味を皆さんそれぞれ自分の中で解釈をしていただいて、味わって噛み締めて頂けたら」と本作が観客に問いかける意義深いテーマを語ってくれた。
被害者の両親、加害者の少女、癒やしようのない苦しみに囚われた3人の葛藤を通して、我々観客に罪と罰を問う重厚な人間ドラマを描く本作。1人の役者・藤森慎吾として彼の魅力を存分に堪能できる作品ともなっている。
『赦し』は3月18日(土)よりユーロスペース、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開。