第95回アカデミー賞にて作品賞・監督賞・主演女優賞ほか主要6部門にノミネートされた『TAR/ター』。天才にしてストイック、傲慢、そして繊細な指揮者をケイト・ブランシェットが演じた本作からシーン写真9点が一挙解禁となった。
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今回解禁されたシーン写真は9点。ベルリン・フィルの首席指揮者としてタクトを振るい、同時にオーケストラのメンバーを叱咤するリディア・ターの姿が収められている。
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そのほか、ターの心の支えでもあるヴァイオリン奏者のシャロン(ニーナ・ホス)と過ごす様子や、自宅で指揮の構成にふけるターなど、いずれも“現代音楽界を牽引する圧倒的カリスマとして君臨するター”の日常と、そんな彼女を取り巻く様々な思惑を抱えたキャラクターたちを切り取ったものとなった。
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芸術に全てを捧げ、様々な重圧から徐々に追い詰められていくリディア・ターという稀有なキャラクターを演じるのは、本作で「自身の最高傑作を塗り替えた」との呼び声高いケイト・ブランシェット。すでにヴェネチア国際映画祭女優賞をはじめ、全米・N.Y.・L.A.の批評家協会賞と名立たる賞を受賞、『ブルージャスミン』に続くアカデミー賞も有力視されている。
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監督と脚本は、これまで手掛けた長編映画『イン・ザ・ベッドルーム』と『リトル・チルドレン』が2作ともアカデミー賞脚色賞にノミネートされたトッド・フィールド。フィールド監督にとって16年ぶりの最新作となる。
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フィールド監督は本作の発想について、「子供の頃に何が何でも自分の夢を叶えると誓うが、夢が叶った途端、悪夢に転じるというキャラクターについてずっと考えていた」とふり返る。
そして「リディア・ターは芸術に人生を捧げた結果、自分の弱みや嗜好をさらけ出すような体制を築き上げてしまったことに気づく。彼女はまるで全く自覚がないかのように、周囲に自分のルールを強要する。しかし、作家のジャネット・マルカムが言うように、『自覚していたとしても、非道は許されない』のだ」と語る。
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音楽界の頂点に上りつめたベルリンフィル初の首席女性指揮者ター。芸術と狂気がせめぎ合い、少しずつ心の闇が侵食していく一端を、シーン写真から垣間見ることができる。
『TAR/ター』は5月12日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。