コリン・ファレル、ブレンダン・グリーソン共演のマーティン・マクドナー監督最新作『イニシェリン島の精霊』より本編映像が解禁された。
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本作は、『スリー・ビルボード』のマーティン・マクドナー監督が、サーチライト・ピクチャーズとの再タッグで贈る話題作。第79回ヴェネチア国際映画祭で男優賞と脚本賞を受賞し、第80回ゴールデングローブ賞では主要部門を含む、最多7部門8ノミネートされ賞レースの行方にも注目が集まっている。
アイルランド西岸沖に浮かぶ架空の離島・イニシェリン島で暮らす心優しく気のいい男パードリックと音楽を愛する初老の男コルム、親友同士である2人が仲違いしていくさまを描く本作。パードリックとコルムは毎日午後2時に、島で唯一のパブで一緒に酒を飲み交わすのが日課だ。しかし、ある日突然コルムがパードリックに絶交宣言を言い渡したことで、物語は動き出す。
この度解禁された映像では、パブで鉢合わせても会話を避けようとするコルムをパードリックが追いかけ回す様子からはじまる。「俺が何かしたなら言ってくれ」と早口になりながら懇願するパードリックに対し、冷静沈着なコルムは明確な理由を述べることなく「お前が嫌いになった」とバッサリ。
しばらく放心状態となったパードリックは間を開けて「好きだろ? 昨日まで好きだった」と問いかけるが、「そうか?」と軽くあしらわれ、「好かれてると…」と悲しげな表情。そのパードリックを置いて、コルムは何も言うことなくその場を後にする。
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悲劇的にも見えて、パードリックとコルムの温度差や絶妙な会話のテンポなどから笑いを誘う要素も垣間見える本シーンだが、マクドナー監督は「パードリックはなぜコルムが縁を切りたいのか理解できないので、絶交宣言を受け入れようとしない。恋愛で振られたときの気持ちに似ている。“本当に僕のことが好きだったのか?付き合っていると思っていたのは僕の勘違いだったのか?”という感じだ」「観客がどの人物に共感するか興味がある。振る方のコルムの辛辣な台詞を受け止められるか、それとも心破れるお人好しのパードリックに共鳴するか」と恋愛に例えながら解説する。
パードリックの妹のシボーンを演じたケリー・コンドンも「恋人同士なら誰もが経験のある失恋、拒絶といった感情をうまく演出している」とマクドナーらしい表現と巧みな人物造形を評している。この絶妙な掛け合いの中で2人の関係性がどのように変化していくのか? 今後の展開が気になる本編映像となっている。
『イニシェリン島の精霊』は2023年1月27日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。