「Kis-My-Ft2」藤ヶ谷太輔主演、些細なことから始まった平凡なフリーターの逃避劇『そして僕は途方に暮れる』より、場面写真とメイキング写真が公開された。
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2018年にシアターコクーンで上演されたオリジナル舞台を、脚本・監督・三浦大輔×主演・藤ヶ谷太輔の再タッグで映画化した本作。撮影は2021年3月~4月にかけて、ロケーションが各地で敢行された。藤ヶ谷さん演じる平凡なフリーター・裕一が、追いつめられ帰る北海道の苫小牧は、監督・三浦大輔の生まれ育った地。
三浦監督は「そこに強い思いがあったかと言われると、実はそういうことでもなくて。さんざん見てきた景色だったから切り撮りやすかったというのが、正直なところなんです(笑)」と言いつつ、「何より、藤ヶ谷くん自身が苫小牧へ行って、菅原の生まれ故郷を体感してバックボーンを蓄積したことによって、その後の芝居においても役立ったように感じているんです」とコメント。北海道での撮影は、4月だったにもかかわらず、真冬のように寒かったという。
シネマスコープのサイズで撮影されている本作。「シネスコの狙いはまず、作品全体を『映画というもので包む』という意図があったので、仕掛けとして必要だったんです。あとは、一見、はたから見たら、どうでもいいと思えるような些細な物語なので、それを敢えて、映画的に見せ切ることが、歪(いびつ)で面白いと思ったんです」と三浦監督。
当初、プロデューサーはこれに懐疑的だったそうだが、「北海道ロケやドローンで撮った映像を見て、前半の窮屈な世界感と後半のギャップは効果的だと思いました」と称賛。
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また「終盤のある大事なシーンの撮影のワンテイク目で藤ヶ谷さんが完全に裕一が乗り移ったかのごとく……感情が溢れ出す凄いお芝居をされたんです。それは凄く良かったのですが、そのシーンの狙いとはやや違っていたので、その後、結構な数のテイクを重ねていたことがありました。ですが、後の編集ラッシュで監督はワンテイク目を使って、裕一の感情に寄り添った劇伴までつけていました」と明かす。
続けて「私が知る限りでは演出家としての三浦監督は俳優さんのお芝居に引っ張られてシーンの狙いを変えることがこれまでほぼなかったような気がします。少しでも違うなと思うとテイクを重ねながら微調整して完成形に近づけていく。そのあたりの徹底ぶりは凄いものがあります。でも、結果的にそのシーンではワンテイク目を使った。シーンのニュアンスを変える程、藤ヶ谷さんの演技に心を動かされたのだと思いました。その点はすごく印象に残っていますね」とふり返っている。
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今回、人間関係を断って逃げる役柄ゆえ、現場での藤ヶ谷さんは和気あいあいというよりは、裕一という役に向き合って黙々と芝居に臨んでいたそう。演出面で監督に追い込まれ、藤ヶ谷さん自身も敢えて自分を追い込んでいたようにも見え、そして撮影が進むにつれ、どんどんやつれて疲弊していったという。
『そして僕は途方に暮れる』は2023年1月13日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。
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