七里圭監督初のドキュメンタリー映画『背 吉増剛造×空間現代』の公開にあわせて、昨年の国際文学館(村上春樹ライブラリー)開館の際に七里監督が製作した「村上春樹ライブラリー・イメージ映像」フルバージョンが特別同時上映される。
今回が初めての劇場公開となる「村上春樹ライブラリー・イメージ映像」は、村上春樹がアンデルセン文学賞を受賞した際のスピーチに触発されて製作。
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新宿 K’s cinemaにて、10月9日(日)より『背 吉増剛造×空間現代』各回上映前に行われる。
「村上春樹ライブラリー・イメージ映像」上映概要
●上映日時
2022年10月9日(日)、10(月・祝)、15(土)、16(日)、22(土)、23(日)
『背 吉増剛造×空間現代』各回上映前
●上映場所
新宿 K’s cinema
●七里圭監督の『村上春樹ライブラリー・イメージ映像』製作にあたってのコメント
国際文学館(村上春樹ライブラリー)開館記念の映像をどういうものにするか。構想するにあたって、(開館に寄せて村上春樹氏が掲げたキャッチフレーズ)「物語を拓こう、心を語ろう」について熟考することにしました。
そのヒントになったのが、アンデルセン文学賞の受賞スピーチです。このなかで春樹氏は、「小説を書くとき、物語の暗いトンネルを通りながら、まったく思いもしない僕自身の幻と出会います。それは僕自身の影に違いない」「影を排除してしまえば、薄っぺらな幻想しか残りません。影を作らない光は本物の光ではありません」と述べています。
それは、春樹氏の小説に取り組む姿勢をつまびらかに語るとともに、私たちが今生きる社会、現代文明のひずみ、その問題の本質を照射するスピーチであったと考えています。特に「影を作らない光」というメタファーは、都合の悪いものを排除し、どんどん白々と明るく清潔になっていく世の中、人間への警句に思えました。―――七里圭
『背 吉増剛造×空間現代』は10月8日(土)より新宿K’s cinemaほか全国にて順次公開。