本年度アカデミー賞 国際長編映画賞、長編ドキュメンタリー賞、長編アニメーション賞史上初3部門ノミネートの話題作『FLEE フリー』より、特報映像とティザービジュアルが解禁となった。
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本作はドキュメンタリーだが、主人公のアミンをはじめ周辺の人々の安全を守るためにアニメーションの手法によって制作されている。そこで描かれているのは、心揺さぶる真実の物語だ。
この度解禁された特報映像は、主人公アミンの親友である映画監督(本作の監督ヨナス・ポヘール・ラスムセン)が、彼に向かって尋ねる「誰かに話したことは?」という問いに対し、アミンが「一度もない」と答えるシーンから始まる。映像は、アミンが誰にも明かしたことのなかった自身の過去を、20年の時を経て初めて語り始める様子と、その言葉により回想される幼少期からの余りに過酷な経験を捉えていく。
アミンの複雑な感情をより忠実な形で伝えるために、本作ではシーンに応じて2つの全く異なるスタイルのアニメーションが用いられた。また、ニュース映像など実際の映像も織り交ぜながらドキュメンタリーとしての臨場感も伝わってくる。アミンの言葉によって語られる物語はもちろん、その手法の斬新さにも圧倒される、映画本編への期待が高まる映像となっている。
もともと数々のラジオ・ドキュメンタリーを手掛けてきたヨナス・ポヘール・ラスムセン監督は、独創性に溢れるスタイルで本作を作り上げたことについて、「私的な物語を語る過程で、私は常に新しい方法や新しいアプローチを探求しようと心がけています。語られる物語に沿うように、映画の形式を捻じ曲げる方法を探るのです。『FLEE フリー』では、そのレパートリーにアニメーションを加えました。アミンが惜しみなく私に共有してくれた、貴重な証言にふさわしい舞台を与えられるよう、説得力があり、魅力的な語り口を作ることを目指したのです」と語っている。
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ティザービジュアルにはそれぞれの境遇を生きる国籍も様々な119人が描かれているが、これらは全て本作に登場するキャラクターだ。その中には、カセットプレーヤーでお気に入りの曲を聴きながらはしゃぐ幼い頃のアミン、自身のトラウマと向き合う現在のアミン、そして彼の恋人や家族、ラムスセン監督の姿もある。<故郷とは、ずっといてもいい場所>というキャッチコピーは、作中のアミン自身による印象深いセリフだ。難民であり、ゲイであるという、2つの葛藤を抱えながら生きてきた彼にとって、この<故郷>という言葉が示す意味は非常に重い。
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ヨナス・ポヘール・ラスムセン監督はアカデミー賞授賞式を控えて、先ごろ行われたインタビューで「この物語は、過去やセクシュアリティも含め、自分が誰なのか。それを知ることのできる場所を見つける、一人の人間の物語なのです」と語っている。
『FLEE フリー』は6月10日(金)より新宿バルト9、グランドシネマサンシャイン池袋ほか全国にて公開。