周囲を傷つけない“自分勝手”な選択を

――この作品でも恭子の話として「選択的シングルマザー」について描かれますが、石橋さんは昨年ご出産されたことを公表され、“結婚”という形に囚われないご自身の人生の最適解を模索されている印象があります。何か物事を決断する際に意識されていること、優先順位などはありますか?
“自分が後悔しないようにする”ことが一番、でもそれによって誰かが傷つくことがないようにと気をつけているつもりです。周囲の目を気にしすぎて自分がやりたいことを我慢したりベストな関係性になれないのは本末転倒なので、周囲への配慮をした上で許される“自分勝手”の範囲内でやりたいことができればいいなと思います。
今回の恭子の選択についてもそうですが、人が決断したことにとやかく言う筋合いもないし、自分も否定されたくないからこそ、相手の決断も否定せず肯定して、それがより良い形に進ように全力で応援したいです。こういう話こそタブー視されがちで、なかなか男性には話せなかったりするので、女性同士だからこそ支えになれたらなと思います。
――最後に、本作をどんな方に観ていただきたいか、作品の見どころと一緒に教えて下さい。
同世代の方に、悩みを解決できないまでも他にも自分と似たようなことで悩んでいる人がいっぱいいるということを知ってもらえると思います。そうすれば焦らずに、少しずつ視野を広げてもらえると思うので、今はひとつしか選択肢が見えていなくてもこの作品を観ているうちに、それ以外の選択肢の存在にも気が付けるかもしれません。毎週、それぞれ刺さる部分があると思うんですが、痛みを感じながら観て頂きたいです。