フランス・イタリア合作アニメーション映画『シチリアを征服したクマ王国の物語』より、柄本佑演じる魔術師が登場する、日本語吹き替え版本編映像が公開された。
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柄本さんが本作で演じているのは、各地を旅する語り部ジェデオンと、魔術師デ・アンブロジスの2役。今回到着した映像は、魔術師デ・アンブロジスのシーン。シチリアの人々に悪政をしく大公へ星の預言を伝えるとともに、魔法が使える魔術師だが、横暴な大公のために使い尽くしてしまい、残された魔法は2回。残りは、自分の余生のために使いたいデ・アンブロジスだが…。
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冒頭、大公率いる人間軍との戦いにひと段落ついたものの、未だ行方不明の息子トニオの所在が分からず、クマの王レオンスの顔は晴れない。そして夜、ひとり群れから離れたレオンス王の元に魔術師が現れる。「魔術師がいれば大王になれます」と語る魔術師だったが、彼から返ってきたのは、「君の魔法を使えば行方不明者を探せるのか?」という言葉。
意表をつかれた魔術師だったが、「簡単ですって!」と自信満々に返すも、それがトニオだと知ると、「子グマを見つけるために魔法を一回使うことはできませんってば」と突き放してしまう。そんな「できる」「できません」の押し問答を繰り広げるうちに、夜はふけていく。
クマ軍団をなんとかしろと大公から責められ、保身のため、スパイのように近づく様は、人間の持つ狡い一面が現れている。しかし、息子を探したいという純粋な思いをぶつけてくるレオンスの頼みを断れないお人好しでもあり、どこか憎めないキャラクターだ。
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アニメーションのアフレコは2度目だという柄本さん。決まった時間の中に膨大なセリフを詰め込んでいく、実写演技とはまた違うことが要求されるアフレコでも、持ち前の深い洞察力で善と悪が同居する“人間”をアップテンポで表現し、クマと人間、アイデンティティや信念の違うものたちが共生することの難しさや、大切さを描いた本作のテーマに奥深さを与えた。
『シチリアを征服したクマ王国の物語』は1月14日(金)より新宿武蔵野館・アップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開。