マーベル・スタジオが本格的に再始動した2021年、ついに公開されたドラマチック・アクション超大作『エターナルズ』は、『ノマドランド』でアジア系女性として初めて第93回アカデミー賞監督賞を受賞したクロエ・ジャオにとって初のアクション映画。
監督は新境地となった本作のために、「『レヴェナント:蘇えりし者』は没入感があってとても好きな映画。だから、本作のアクションシーンでも参考にしたかった」とレオナルド・ディカプリオがアカデミー賞を獲得した主演作を参考にしていたことを明らかにした。
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実話に基づくドキュメンタリードラマが描かれた『レヴェナント:蘇えりし者』では、リアルさを追求するために、撮影スタジオではなく100か所近くに及ぶロケ地での撮影やスタントマンなしの撮影にこだわり、ディカプリオが演じた主人公ヒュー・グラスが体験した過酷なサバイバルの旅を描き出した。
第88回アカデミー賞で撮影賞を受賞した同作の“没入感ある映像”に魅了されたジャオ監督は「これは間違いなく私たちが目指している映画だと思いました。マーベルはロケ地で撮影するアイデアを支持してくれて実現させてくれました。ロケ地で広角レンズを使って撮影すると、ビジュアルエフェクトに影響が出るんですよ」と、『エターナルズ』でもマーベル・スタジオ全面協力のもと世界中を巡るロケ地での撮影を実現させたことを明かした。
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さらに、同作の臨場感溢れるサバイバルシーンを本作でも取り入れようと、ジャオ監督は作品を観て研究したそうで、「私と撮影監督のベン・デイヴィスは『レヴェナント:蘇えりし者』を何度も観ました。私たちは、森の中のシーンをとても臨場感を感じられるようにしたかったのです。私たちは、カメラが地に足がついていると感じられるようにしたくて、あちこち飛び回るようにはしたくありませんでした。観客が本当にそこに実際いると感じられるように、フレーム内で起きているすべてのことが(徐々に)展開していくようにしたかったのです」と語る。
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「それは、主にアマゾンでイカリス(リチャード・マッデン)が敵のディヴィアンツと戦っているシーン。予告編の中で、ディヴィアンツがイカリスの上に乗って襲いかかるシーンもそうです。カメラはほとんど動かない。私はそれを『レヴェナント:蘇えりし者』で熊が襲うシーンを参考にしたんです。『レヴェナント:蘇えりし者』はそういうことをとても素晴らしくやっています。アレハンドロ(・G・イニャリトゥ『レヴェナント』監督)は、「必ず良いものにして」って言ってました(笑)」と打ち明けた。
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同監督に許可を取るほど本格的にオマージュしたことを明かしているが、ジャオ監督は一体どんなアクションシーンを魅せてくれるのか。これまで、落馬事故で大怪我を負ったカウボーイの再生物語を描いた作品『ザ・ライダー』や、家を失いキャンピングカーで車上生活を送る60代女性の“ノマド(放浪の民)”を描いた『ノマドランド』など、これまでの作品とは異なるジャオ監督の新境地であり、マーベル史上最大のスケールで描かれるアクション超大作に注目だ。
『エターナルズ』は全国にて公開中。