ベネディクト・カンバーバッチが主演と製作総指揮も務めたスパイ・サスペンス『クーリエ:最高機密の運び屋』から場面写真が到着。色味を限定し、冷戦当時の雰囲気を完全再現した監督のこだわりが明らかとなった。
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カンバーバッチ演じる主人公グレヴィル・ウィンは、表向きは平凡なセールスマン、その裏の顔は密命を帯びたスパイ。20世紀政治史の闇に葬られた米・ソ諜報戦の真相が、本作では描かれる。
このたび解禁となった場面写真は、ある日突然スパイとなった平凡なセールスマン、グレヴィル・ウィン(ベネディクト・カンバーバッチ)が緊張の面持ちでロンドンの街を歩く姿や、常に盗聴・監視されていることに警戒してアイコンタクトで何かを伝えるような場面が切り取られている。
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さらに、スパイになったことをひた隠しにする夫の変化を感じ取り、不安げな表情を見せるウィンの妻シーラ(ジェシー・バックリー)や、頭にスカーフを巻いてソ連側に潜入するCIA局員エミリー(レイチェル・ブロズナハン)の姿も。
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「温かで趣きのある世界にはしたくなかった」
こうした1960年代ロンドンとモスクワの街並みや衣装、そして当時の雰囲気を再現するのは大変な労力が必要だったはず。ドミニク・クック監督は、「色を限定した」と語る。「たとえば、赤いレンガは使わないことにした。厳しさを感じさせたかったので、赤いレンガは一つもないんだ。ソフトで温かで趣きのある世界にはしたくなかったんだ」と明かす。
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衣装に関しても同じように色味が限定された。登場人物たちは保守的で、派手ではなくそれが服装にも表れている。「今のように、なんでも手に入る時代ではなかったから、人々は服をそれほど多くは持っていなかった。中流階級の人で、スーツを二着持っていたくらいだろうね。可処分所得はそれほどなかったから、今と比べると服は決して安いものではなかったんだ」と時代考証にも余念がない。
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さらに、「1960年代初めを舞台にしたスパイ映画や時代映画を何本も見たよ。60年代に作られた映画と、それ以降に作られた映画には面白い違いがあるよ。60年代の映画は派手さがなくて、よりリアルなんだ」と、監督はリアリティを追及したことを語っている。
『クーリエ:最高機密の運び屋』は9月23日(木・祝)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開。