まずはAmazon Prime Video、Netflix、Hulu、U-NEXT、ABEMAプレミアムといった動画配信サービスのオリジナル作品やそこでしか観られないおすすめ作品をピックアップした。
Amazon prime Video:ヒーローアニメ
「インビンシブル ~無敵のヒーロー~」
配信開始2週間でAmazonオリジナル作品史上最高の視聴数を記録した「ザ・ボーイズ」、お馴染みのマーベルやDCのヒーロー映画を楽しんできたなら要チェック。「ウォーキング・デッド」のロバート・カークマンが手がけた、容赦のない描写が満載のR18+指定作品で、早くもシーズン2&3の更新が決定している話題作。
スーパーパワーが覚醒する主人公マーク・グレイソンの声を同作のグレン役や映画『ミナリ』のスティーヴン・ユァンが担当。ほかにも「ウォーキング・デッド」出演者や、『スパイダーマン』シリーズのJ.K.シモンズ、「キリング・イヴ/Killing Eve」サンドラ・オー、『ジョーカー』『デッドプール2』ザジー・ビーツ、「コミ・カレ!!」「LOVE ラブ」ジリアン・ジェイコブスに、マーク・ハミルまでボイスキャストも豪華。
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スーパーマンのような父のもとで育った高校生が大いなる力に目覚め、人々を救うことに意義を見出していく…のかと思いきや、そうはいかないのが本作。「ザ・ボーイズ」はもちろん、「ウォッチメン」や『アベンジャーズ』シリーズなども思い起こさせながら、市民として生きるヒーローや“ヒーローが活躍”すればどんな影響が及ぶのか、ヒーロー映画をスクリーンで観られないいま、多くの示唆を与えてくれる。
Netflix:短編映画『隔たる世界の2人』

コロナ禍で行われた第93回アカデミー賞は、ノミネート条件の変更により配信作品が多数を占めた。中でもNetflix作品は計16作品・38部門ノミネートと群を抜き、衣装デザイン賞&メイク・ヘアスタイリング賞(『マ・レイニーのブラックボトム』)や短編アニメ映画賞(『愛してるって言っておくね』)などと並んで、本作が短編実写映画賞に選ばれた。
主人公はタイムループに閉じ込められたグラフィックアーティストの黒人青年カーター。前夜に意気投合した女性の部屋で目覚めた彼は、愛犬の待つわが家に帰ろうとしただけなのに、白人の警官に突然呼び止められ、いきなり押さえつけられる。「I can't breathe(息ができない)」と繰り返すもむなしく息絶えると、再び女性の部屋で目覚め、地獄のような朝を繰り返していく。何度トライしても同じ、圧死でなければ銃で撃たれてしまう。

ジョージ・フロイドさんの暴行死事件から5月25日で丸1年がたつが、この地獄はリアルに起きていること。帰り道にカーターが聴こうとした曲「The Way It Is」に合わせ、エンドロールでは“これが現実”とばかりに犠牲者たちの名前が連なっていく。本作のほかに、短編ドキュメンタリー賞ノミネートの『ラターシャに捧ぐ ~記憶で綴る15年の生涯~』も必見作だ。
Hulu:アジアドラマ
「太陽の末裔 ~Love in Vietnam~」
最新韓国ドラマ「ヴィンチェンツォ」(Netflix配信中)で改めて存在感を示したソン・ジュンギが2016年に主演し、韓ドラの歴史を塗り替えたといわれるほど大ヒットした「太陽の末裔~Love Under The Sun~」のベトナム版リメイク。
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特殊部隊隊長のエリート軍人・キエンと、開業医を目指す優秀な医師・フーンが偶然出会い、それぞれの仕事に情熱を注ぎ、プライドを持って臨みながら運命に翻弄されていく恋を描く純愛ストーリー。韓国版で主な舞台となった紛争地ウルクは架空の国(ロケ地はギリシャ)だったが、今作では風光明媚なベトナム・ハイフォンを舞台に台風やウイルス感染などに対峙していく。

主演は、甘いマスクと長身、鍛え上げられた肉体を持つソン・ルアンと、インスタグラムのフォロワー数180万人を誇り、数々のブランドのアンバサダーも務めるカー・ガンというベトナムを代表する人気スター。アジア太平洋の映像コンテンツを対象にした国際賞「Asian Academy Creative Awards 2019」テレビ部門で脚色賞と最優秀俳優賞(ソン・ルアン)にノミネートされる評価を得た。ソン・ジュンギ&ソン・ヘギョが破局してしまい、韓国版を観るのがちょっと切ない(!?)という方にもおすすめ。
U-NEXT:海外ドラマ「Veep/ヴィープ」
実際に女性のアメリカ合衆国副大統領が誕生したいま、U-NEXTで独占見放題配信されている「HBO」作品からは本シリーズをチョイス。2012年から6年連続でエミー賞を受賞してきたジュリア・ルイス=ドレイファスが、超大国アメリカ初の女性副大統領セリーナ・マイヤーに扮し、その職務をまっとうするべく支援企業の顔色を伺い、記者や世論を気にしながら、側近や家族を引っかき回しながら奔走する。

セリーナの右腕ゲイリー(トニー・ヘイル)のクセの強さをはじめ、首席補佐官や報道官たち個性派キャストとのやりとりは爆笑必至。「アメリカのため」「大統領のため」とか言いながら利己的で野心的なエリートたちによる、毒たっぷりのジョークが飛び交うドタバタ政界劇を笑い飛ばしながら楽しむことができる。

さらに、シーズンを重ねるごとに政治批判が色濃くなり、シーズン4ではセリーナが女性初の大統領に!? そんな本作待望の最終シーズン7が5月19日(水)よりついに日本初上陸、ジュリアは乳がんを患いながらも魅力溢れるセリーナを演じきっている。このほかU-NEXTでは、リドリー・スコット製作総指揮「レイズド・バイ・ウルブス/神なき惑星」など「HBO」及び「HBO Max」オリジナル新作が楽しめる。
ABEMAプレミアム:国内ドラマ
「17.3 about a sex」
「Seventeen」専属モデルの永瀬莉子、田鍋梨々花、秋田汐梨がトリプル主演し、親にも相談できなかった性に関する悩みや疑問の答えを探していく青春ドラマ。10~20代から圧倒的支持を集めるABEMAオリジナル作品の中でも、大人世代も鑑賞できる、いや、大人世代こそ観てほしい1作。

タイトルの“17.3”が意味する初体験の年齢や、性的指向・性自認、セルフプレジャー、生理、性病や初めての婦人科受診など、日本のドラマや映画など、ティーンが主役のエンターテイメントが避けてきた領域に果敢に踏み込んでいく。かといって押しつけがましさはなく、台本監修として慶應義塾大学の現役学生で性教育プロデューサーとして活動する中島梨乃や、主人公世代のインフルエンサー・ひかりんちょが関わり、休み時間や放課後の高校生たちの会話に加わるような親しみやすさと分かりやすさが魅力。

お互いを尊重する、多様性を認め合うといわれて久しいものの、日頃触れるエンタメはまだまだ追いついているとはいえない。過激さを売りにする作品やアダルトサイト、正体の分からないSNSの誰かよりも、こうした良質ドラマが“性教育”にひと役買ってほしいと思わずにはいられない。