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ラス・パルマス国際映画祭は、創意的かつ独創的な映画を世界的に発掘することに主眼を置き、スペインで活動する監督や批評家、シナリオ作家といった主要な映画人らで発足される、今年で20回目を迎える映画祭。本作は世界中の作品の中から、メインであるコンペティション部門に選出。本作のほかにも、深田晃司監督の第73回カンヌ国際映画祭「オフィシャル セレクション 2020」作品『本気のしるし』が同じコンペティション部門に、河瀬直美監督の『朝が来る』がパノラマ部門に出品されていた。
瀧内さんが演じたのは、女子高生自殺事件を追うドキュメンタリーディレクター。事件の真相に迫るなか、父の政志からある衝撃的な事実を聞かされ、究極の選択を迫られるというストーリーで、 “正しさ”とは一体何なのか、情報社会を生きる私たちが抱える問題や矛盾を真正面から炙り出した衝撃作だ。
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最後まで緊張の糸が途切れない展開、そして究極の選択に追い込まれる瀧内さん演じる主人公・由宇子の圧倒的な存在感により、見事今回、最優秀女優賞とCIMA審査員賞を受賞。瀧内さんにとって、海外の国際映画祭で主演女優賞を受賞するのは本作が初となる。
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瀧内さんは受賞に際し「身に余る想いです」とコメント。「春本監督はじめスタッフ、キャストの皆さまに感謝申し上げます。如何なる時でも戦い続けてくれた春本監督に一番御礼が言いたいです」と監督に感謝しきり。
脚本と編集も手がけた春本雄二郎監督も同様に、「最優秀女優賞、CIMA審査員賞と2つも名誉ある賞をいただける運びとなり、大変光栄です。主演の瀧内さんをはじめ、この2つの賞は作品に関わった全てのスタッフ・キャストの力が結束したことで受賞に繋がることができたと思っております」と語っている。
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本作はこれまで、釜山国際映画祭ニューカレンツアワード、東京フィルメックスでは学生審査員賞を受賞しており、平遥国際映画祭では審査員賞・観客賞をW受賞、さらには世界三大映画祭の1つであるベルリン国際映画祭のパノラマ部門に正式出品されるなど、世界各国の映画祭を席巻している。
『由宇子の天秤』は9月、渋谷ユーロスペースほか全国にて順次公開。