>>『のさりの島』あらすじ&キャストはこちらから
2020年公開予定から、新型コロナウイルスの影響により公開が延期となっていた本作。オレオレ詐欺の旅を続ける主人公に、『his』『佐々木、イン、マイマイン』で第42回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞、大河ドラマ「青天を衝け」、4月29日(祝・木)公開映画『くれなずめ』など話題作への出演が続く藤原さん。

オレオレ詐欺の男を孫として迎え、奇妙な同居生活を送るつかみどころのないお茶目な老女役に、本作が遺作となった原知佐子が扮し、『おくりびと』の小山薫堂をプロデューサーに、海外でも高い評価を得た『カミハテ商店』の山本起也監督がメガホンを取った。

今回、評論家の上野昂志から映画応援コメントが到着。また、小山プロデューサーと山本監督からもコメントが到着している。
上野昂志(評論家)
一見、とらえどころがない作品に思えるが、そこには、作り手の周到な設計が施されている。
緩やかな時間の流れ。それが、この映画をさりげなくも豊かに律しているのだ。

小山薫堂(プロデューサー)
新型コロナウィルスという脅威に人類が翻弄されている今。
多様な価値観を認め合うことが必要とされる今。
そんな時代に「のさり」という天草弁に出会うことで、人の心は少しだけ軽くなります。
のさりとは、良いことも悪いことも天からの授かりもの、という考え方。
それはあらゆる苦難を乗り越える力であり、自分とは違う考えを認める力であり、全てのものに愛を持って接する優しさの力です。
『のさりの島』という作品が、コロナ禍における心のサプリメントになることを信じています。
山本起也(監督)

嘘、という言葉はあまり良い意味で使われませんが、嘘の中でこそ救われる、ということがあると思ったのです。
あるいは、この映画の台詞を借りれば「まやかしでも、人には必要な時があっど(ある)」ということかもしれません。
オレオレ詐欺の男と、電話を受けたおばあさん。
二人がついた嘘が、寂れた街のシャッターの向こうで、いつしか本当になる。
ふと訪れた天草でこの映画の話をしたところ、そこに居合わせた方がこう答えました。
「監督、そん話、天草だとあるかもしれんばい」
この映画は天草で撮らねばならない、そう心に決めた瞬間でした。
『のさりの島』が5月29日(土)よりユーロスペースほか全国にて順次公開。