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今回解禁された予告編は、トルコの名匠、セミフ・カプランオール監督によるコメント「憐れみ深い物語。全ての心に響くことを望みます」から始まる。
幸せな未来を夢見て日本に出稼ぎに来た女性たちが、故郷から遠く離れた北国で過ごす日々を、ベトナム民謡とラップにのせて切り取っている。過酷な現実と闘う彼女たちの姿に、思わず心揺さぶられる予告編に仕上がっている。
本作は、在日ミャンマー人の移民問題と家族の愛を描いた前作『僕の帰る場所』が、東京国際映画祭「アジアの未来部門」グランプリを受賞した藤元明緒監督による長編第2作目。近年、外国人技能実習生の受け入れが増加しているなかで、その劣悪な労働環境などが社会問題として取り沙汰されているが、藤元監督がかつて実際にミャンマー人技能実習生から受け取ったSOSメールをきっかけにして着想された。
世界第4位の移民大国となっている日本において、ベトナムからの技能実習生が全体の半数を占めている現状から、主人公をベトナム人として設定。実際の技能実習生や来日後に失踪した当事者、彼らを支援しているシェルターなどでの取材を重ね、脚本を執筆した。
さらにキャスティングは、ベトナムの2都市(ホーチミン、ハノイ)でオーディションを実施。100名以上の候補者のなかから選ばれた3名のベトナム人女性を主人公に迎え、リアリティにこだわり抜いた、ドキュメンタリーとフィクションを越境する物語が誕生した。
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昨年、世界でも有数の若手監督の登竜門であるサンセバスチャン国際映画祭・新人監督部門に選出され、その後に東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門で凱旋上映されるなど、国内外の映画祭で注目を集めている。
サンセバスチャン国際映画祭選考委員のロベルト・クエト氏は「メロドラマ的な要素やステレオタイプな設定を一切避けた『海辺の彼女たち』は心揺れるラストシーンへと向かう強烈で実直な旅だ」と激賞し、ハリウッド・レポーター誌では「彼女たちの勇気と決意に捧げた、厳かで美しい詩」という賛辞が贈られている。
予告編と併せて解禁されたポスタービジュアルは、寒空と真冬の海を背景に、3人の女性たちの働く姿とともに、「生きていく。この世界で――」という内なる覚悟を感じさせるコピーが添えられている。
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『海辺の彼女たち』は5月1日(土)よりポレポレ東中野ほか全国にて順次公開。