予告編でも映し出されるのは、どこまでも青い空と透き通る青い海。ピクサーが本作で舞台に選んだのは、眩しい夏の太陽が照りつける北イタリアの海辺の町“ポルト・ロッソ”。「冒険を始めよう!」と呼びかけるナレーションと共に、流れる活気あふれる町並みと夏のにおいが漂う風光明媚な景色、“友達”と一緒に大きな瞳を輝かせながら珍しいものを目にしているかのような表情の少年が映し出されるが、この少年が物語の主人公“ルカ”。
でも、実は彼は人間ではなく、水にぬれると姿が変わり海を自由自在に泳ぐことができる、不思議な力を持った“シー・モンスター”だったのだ。人々はいままで一度も見たことのない“シー・モンスター”を恐れており、彼らもまた“人間”を誤解し恐れていた。絶対に人間に正体を知られてはいけないシー・モンスターにとって、<人間の町>は決して交わってはいけない<禁断の世界>。それでも止まらない好奇心からルカは“海の掟”を破り人間の町へ向かう。
同時に解禁となるポスターには、透き通る青い海に浮かびながら美しく広がる夏の青い空を見上げるルカが描かれている。だが、よく見ると海中の姿は、ルカの抱える人間に知られてはいけない“秘密”であるシー・モンスターの姿に! 青い空と青い海は決して交わることのない境界線なのか? 人間に絶対に知られてはいけない“秘密”を抱えたルカの大冒険が、ひと夏の奇跡を巻き起こす――。

本作で監督を務めるのは、第84回アカデミー賞短編アニメーション賞にノミネートされたピクサーの短編アニメーション『月と少年』を手掛けたエンリコ・カサローザ監督。『月と少年』では宮崎駿監督が『崖の上のポニョ』の絵コンテを水彩画で描いたことを知り、自身も水彩画で絵コンテを制作するなどスタジオジブリの大ファンとしても知られている。
また、アカデミー賞受賞作品『カールじいさんの空飛ぶ家』のストーリー・アーティストをはじめ、『リメンバー・ミー』『トイ・ストーリー4』など様々な作品に参加、高い評価を得ている。
繊細でファンタジーに満ちた作品を得意とするカサローザ監督は自身も北イタリアで生まれ育ち、夏らしさに溢れるイタリアの海岸をまるでそのまま切り取ったかのように本作へ取り込んだ。監督は「子供の頃に自分とは全く違う世界に住む少年と夏に出会いました。その夏の思い出から、少年が大人へと成長する物語を作りたいと思ったのです」と、自身の経験からインスピレーションを受けたことを明かしている。
『あの夏のルカ』は6月18日(金)より日米同時公開。