条件は「限られた制作予算」のみ! “監督絶対主義”で映画を製作
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Cinema Labは、参加監督たちが日本映画界に多大な影響を与えたATGこと日本アート・シアター・ギルドに着想を得て発起した、監督の作家性を最大限に活かす“監督絶対主義”で映画を製作する映画の実験レーベル。
参加監督は、「踊る大捜査線」シリーズや『亜人』の本広監督、『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』の押井監督、「ウルトラシリーズ」や「いいね!光源氏くん」の小中監督、そして『カメラを止めるな!』の上田監督。

映画化の条件は「限られた制作予算」のみ。映画は、製作過程となる企画開発、脚本、キャスティング、ロケーション、演出など全てのクリエイティブは監督が自由に手掛けた作品を公開。日本映画界に少し違う角度から光を照らし、映画を好きになってもらうこと、映画の魅力を再発見すること、次世代の映画監督を発掘することなど、日本映画界に貢献することを目指していくという。
第1弾は本広克行監督×原案・押井守監督!
新レーベルの第1弾は、本広監督にとって2年半ぶりの実写映画。今回、題材に選んだのは、監督自身も所属した「映画研究会」。映画を撮ったことのない先勝美術大学映画研究会の部員たちが挑む“いわくつきの台本”を映画化するというストーリー。新たな試みとして完全な脚本を用いず、おおよその筋だけを立て、現場で俳優や監督が口頭の打ち合わせで芝居をまとめる“口立て”を用いた手法で演出する。
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原案は、押井監督の「夢見る人」。連続テレビ小説「まんぷく」で注目を集めた小川紗良が、監督としてメンバーをリードする主人公のサラ役で主演。
カメラ担当でサラを支えるカミオ役を神尾楓珠。助監督兼雑用係として奮闘するモリタ役を森田甘路。プロデューサーのリコ役を藤谷理子。メイク担当のシエリ役をヒロシエリ。録音担当のウチダ役を内田倭史。OBとしてメンバーを支えるタクミ役を斎藤工。確かな演技力で撮影に貢献するサヤカ役を秋元才加。そして、瀧川英次と升毅が本人役で出演する。
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本広監督「映画の中の台詞をリアルに」
映画について本広監督は「ずっと押井守監督と組んで実写を撮ってみたいと思っていました。今回の為に押井監督には『夢みる人』という原案となる本を書いてもらいました。当初は登場人物が軽音楽部だったのですが、それを私なりにアレンジして映画研究会に」と語り、「全ての映像作品を作っていてずっと思っていた事があります。今や当たり前のように作品の中だけで交わされる省略された無駄のない台詞を、演者から出るリアルな話し言葉を使って作品を作れないか。今では機材の性能が上がっていて、昔は録音できなかった台詞も今だからできる方法があります。急に違う作り方をすると観ている人は拒否反応がある事を知っていながらも、このシネマラボで自分なりの『実験』として、エチュードという形で映画の中の台詞をリアルに演出させてもらいました。是非この不思議な映画を、多くの人に色々な感情で楽しんでもらえればと思います」と新たな試みについて話した。
また主演の小川さんは「大学時代、サークルで映画を撮っていた私にとっては、あの頃を追体験するような日々でした。映画サークルって、色々な珍事件が起きるんですよ。データが飛んだり、お金が尽きたり、機材が壊れたり、しょうもないことで喧嘩したり、色恋沙汰がもつれたり。それでも映画を撮りたい気持ちは突っ走って、かぐや姫もドン引きな無理難題を言ってみたり。部室には余計なものがいっぱいあって、3留くらいしてる先輩が昼寝してる。”伝説のOB”はいつまでもサークルにはびこって、ああだこうだと言ってくる。本当に、映画サークルって変」とふり返り、「思いがけずこの映画は『癒し』になるかもしれません」とコメントしている。
『ビューティフル・ドリーマー』は11月6日(金)よりテアトル新宿、シネ・リーブル池袋ほか全国にて順次公開。