1906年にイタリア・ミラノの貴族の家に生まれ、1942年に『郵便配達は二度ベルを鳴らす』で映画監督デビュー。その6年後には『揺れる大地』を発表。『ベリッシマ』『夏の嵐』、ドストエフスキーの小説を映画化した『白夜』などを世に送り出すと、アラン・ドロンらを起用した『山猫』ではカンヌ映画祭のパルム・ドールに輝き、『熊座の淡き星影』ではヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞。1967年にはカミュの『異邦人』を映画化するなど、映画史に残る名作の数々を生み出してきたヴィスコンティ監督。彼が1971年に製作したのが本作となる。

ドイツの高名な老作曲家アッシェンバッハ(ダーク・ボガード)は静養のために赴いたベニスで、究極の美を体現したような美少年タージオ(ビョルン・アンドレセン)に出会う。ゆるくカールした金髪と澄んだ碧眼の瞳。まるでギリシャ彫刻のようなタージオにアッシェンバッハは次第に心を奪われてゆく…というストーリー。
アッシェンバッハ役には『召使』『ダーリング』で英国アカデミー賞に、『わが恋は終りぬ』ではゴールデングローブ賞にノミネート、ヴィスコンティ作品には本作のほか『地獄に堕ちた勇者ども』にも出演しているダーク・ボガード。

タージオ役には本作への出演で一躍アイドル的な人気を博し、日本でも熱狂的なファンを生んだビョルン・アンドレセン。またタジオの母役で『デューン/砂の惑星』などのシルヴァーナ・マンガーノも出演する。
映画天国『ベニスに死す』は3月2日(月)深夜25時59分~日本テレビで放送。