19時半から「フォーラム部門」のイタリア映画で『Zeus Machine. The Invincible』という作品へ。これはもう、ちょっと文章化不可能な面白さの作品で、実験映画寄りと言っていいかもしれないけれど、ともかく映画祭でしか絶対にお目にかかれないタイプの、超自由で超斬新な作品。「ヘラクレスを育てるとしたら」、あるいは、「フィジカルな力強さに関する14章」、というような、「力」に関する短編が連なっている。レスリング、闘牛、車の空ふかし、棒のぼり、ガソリンスタンド…、ダメだ。絶対に伝わらない。
22時から、コンペの公式上映でフィリップ・ガレル新作『The Salt of Tears』(写真)!いやあ、もう言うことなし。齢70を越えて、どうしてこんなに軽やかな若者の恋愛映画が作れるのだろうか。いや、ロメールもシャブロルもオリヴェイラもリヴェットもレネも晩年はどんどん軽やかになっていったけれど、ガレルの若者感も半端ではない。