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本作の舞台は、第二次世界大戦下のドイツ。ナチスこそが正義のヒーローだと教育されていた少年ジョジョが運命の出会いを果たす相手こそ、トーマシン・マッケンジーが演じた、壁の中のユダヤ人美少女・エルサ。ジョジョの母・ロージー(スカーレット・ヨハンソン)に匿ってもらったというエルサは、聡明でユーモアにあふれ、まだまだ子どもっぽいジョジョにとっては少し歳上の魅力的なお姉さん。
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意志の強い眼差しや、やさしい心根で、“空想上の友達”にするほど心酔するジョジョのアドルフ・ヒトラー(タイカ・ワイティティ)への幻想を揺るがし始めていく、本作の肝となる重要な役どころ。2000年生まれ、19歳のトーマシンは、すでに自国ニュージーランドのTVシリーズへの出演で数々の賞を獲得しており、ハリウッド中のフィルムメイカーから最も熱視線を浴びている実力派若手女優だ。
2020年、ネクストブレイク候補の筆頭女優!
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愛らしさを感じさせつつも、ミステリアスな色気もまとっているトーマシン。『ホビット 決戦のゆくえ』('14)で鮮烈な印象を残すと、ベン・フォスター扮する主人公の娘役を演じた『足跡はかき消して』('18)での熱演が大絶賛を受け、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞のブレイクスルー演技賞を受賞。
若手女優陣のなかでも一躍注目の存在となったその見事な表現力は、本作『ジョジョ・ラビット』でも遺憾なく発揮され、アカデミー賞の前哨戦のひとつである第25回放送映画批評家協会賞(クリティック・チョイス・アワード)新人俳優賞にノミネート。なんと、ジョジョ役のローマン、ヨーキー役のアーチー・イェーツと本作から3人同時ノミネートという嬉しいサプライズ付き!
さらにNetflix作品『キング』('19)ではティモシー・シャラメ演じるヘンリー王の妹役も記憶に新しく、今後の待機作にはラッセル・クロウ共演の『True History of the Kelly Gang』(原題)や、個性派の鬼才エドガー・ライト監督最新作『Last Night in Soho』(原題)など注目作が目白押し。そして、未解決の連続少女殺害事件を題材にした犯罪ノンフィクション原作のAmazonStudios作品『Lost Girls』(原題)で主演へ抜擢! 今後ますます活躍の幅を広げることになりそうだ。
同じニュージーランド出身のワイティティ監督が見出した、勝気な資質
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ジョジョの不信を解いていく強さと冷静さを持ち合わせるエルサを体現できる女優を探して、多くの10代の子役たちと会ったワイティティ監督が白羽の矢を立てたのがトーマシン。しかし、脚本段階での役の捉え方には差があったようで、トーマシンは「私はエルサを犠牲者だと捉えていたけど、ワイティティと会った時、『エルサは全く犠牲者ではないし、エルサも自分を犠牲者とは思っていない』と言われたの。そしてエルサ役のイメージを掴むために、『ヘザース/ベロニカの熱い日』('88)を観るように、って」とアドバイスを受けたことを明かす。
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一方のワイティティ監督も、役作りへのアプローチとして「エルサはこのことが起きる前は学校の人気者だったと考えてもらった。楽しく過ごしていた暮らしを諦め、今はただ隠れていることに対して憤りがあるはずだ」とふり返っている。ワイティティ監督にしか表現し得ない独特なセンスと大きな愛情が前面に浮かび上がる演出に、誠実に向き合ったトーマシンは、エルサこそが何より自由を求めていることが腑に落ちたそう。
「ナチスに迫害される前のエルサは、男の子に夢中で女友達と噂話に花を咲かせていたはず。私たちと同じように行動し、夢を見ていた10代の少女だったと想像すると、すぐに共感できた」と言う。
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まやかしではない“本当のカッコ良さとは何か”を主人公ジョジョに伝えていく、クールでシニカルなエルサの存在感を、見事に表現し演じきったトーマシン・マッケンジー。本作のカギを握る彼女の活躍を、ぜひスクリーンで堪能してほしい。
『ジョジョ・ラビット』は2020年1月17日(金)より全国にて公開。