そこで今回は、今年大活躍だった注目の俳優が出演する、ハートを熱くする冬映画を5本紹介! ラブ・ストーリー&ラブ・ドラマ、密室ミステリーに歴史ドラマそしてアニメと、バラエティ豊かなラインアップとなっているので、この冬の映画鑑賞の参考にしてみてはいかが?
片寄涼太の「鼻カジ」に悶絶…。
『午前0時、キスしに来てよ』
みきもと凜による大人気コミックを原作に、「GENERATIONS from EXILE TRIBE」片寄涼太と橋本環奈のW主演で描く『午前0時、キスしに来てよ』。真面目な女子高生・日奈々と芸能人・綾瀬楓が映画の撮影で偶然の出会いを果たし、恋に落ちる。本作は国民的スーパースターと一般JKのリアルシンデレラLOVEストーリーだ。
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礼儀正しくてピュアな心の持ち主である日奈々に好意を抱き、積極的なアタックで翻弄する楓。片寄さんは、別世界にいるスーパースターながら、素顔は人懐っこい無邪気な青年を好演している。
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まだ夢みがちな日奈々を相手に「鼻カジ」で将来のキスの予約をしたり、募る想いを抑えきれず思わず「マスク越しのキス」をしたりするなど大胆なアタックも片寄さんが演じると全く嫌味なし! 「壁ドン」を超える激甘アプローチの数々にはキュンキュンさせられることだろう。
また本作はロマンティック・ストーリーにして、向上心を持つことの大切さを描いた人間的成長のドラマでもある。様々な困難の果てに2人が選択した“運命の恋”の行き先を、しかと見届けよう。
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小関裕太が、笑顔が素敵な見習い美容師役に!
『“隠れビッチ”やってました。』
相手のタイプに合わせてモテるテクニックを駆使し、男性を次々と落としていくヒロインの姿を追った『“隠れビッチ”やってました。』。原作はあらいぴろよの10年間にわたる恋愛遍歴をつづったコミックエッセイで、メガホンをとったのは『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』の三木康一郎監督。
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清純系女子を装い、3年間で600人もの男性の恋心を手玉にとってきたヒロイン・ひろみ(佐久間由衣)。相手が告白してきたら逃げてしまう(=隠れビッチ)という迷惑極まりない女性だが、そんなひろみが本気で好きになったのが、小関さんふんする気さくで笑顔が素敵な見習い美容師・安藤だ。
小関さんはひろみに恋することの素晴らしさを教え、その一方で心の中に爪痕を残す重要な役柄をくったくのない演技で体現している。
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相手からの好意を求めるも、肉体関係は結ばないひろみ。チヤホヤされて自分の自信をチャージしたいだけだと彼女は言うが、それは自己肯定感が低いことの裏返しでもある。そんな彼女が気づいた本当の幸せとは? ちょっと過激なラブ・ドラマをどうぞ。
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神木隆之介&中村倫也が絶妙マッチ
『屍人荘の殺人』
スリリングで刺激的な体験を求める方はこちら。国内主要ミステリー賞4冠に輝いた今村昌弘の小説を原作とする『屍人荘の殺人』は、湖畔のペンション「紫湛荘(しじんそう)」で起こった連続殺人の謎を追った、笑いあり、恐怖ありの奇想天外密室ミステリーだ。
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神木さんと中村さんは、神紅大学のミステリー愛好会に所属する“迷”探偵コンビ役。神木さんはミステリーオタクなのに推理が当たらない万年助手・葉村譲、そして中村さんは自信マンマンな自称ホームズの明智恭介にふんしている。
着眼点は良いのにどこか抜けている“ホームズ&ワトソン”を演じた、2人の息ピッタリのかけあいは絶品なのでお楽しみに。
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本作のヒロインを務めたのは美人女子大生探偵・剣崎比留子を演じた浜辺美波。そもそも2人が今回の惨劇の舞台となったロックフェス研究会の合宿に参加したのは、比留子に誘われたこときっかけだ。演じた浜辺さんのキュートなコメディエンヌぶりにもご注目あれ!
脅迫状から始まった物語は驚愕の結末へ。容疑者は15人、ネタバレ厳禁の衝撃ミステリーをどうぞ。
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成田凌の名調子に聞き惚れる
『カツベン!』
サイレント映画がまだ主流だった時代。日本にはスクリーンの脇で、映画の説明&独自の解釈を加えて語る活動弁士(=カツベン)という存在がいた。『カツベン!』はその道のプロを目指した青年の夢と人生をかけた物語。『Shall we ダンス?』の周防正行監督による5年ぶりの最新作だ。
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成田さんが演じたのはカツベンに憧れる青年・染谷俊太郎役。初主演作となる本作で特殊技能である活動弁士を演じるにあたり、7か月にわたり毎日3時間もの特訓をこなし撮影に臨んだと語っている。
これまでいまどきの若者や猟奇的な役柄を演じる機会が多かった成田さん。本作ではニセ弁士として詐欺に加担するも、心を入れ替えてプロのカツベンになるべく必死に取り組む青年を熱演している。黒の背広に身を包み、名調子を披露する成田さんのカツベン姿はかなり新鮮で、思わずドキっとしてしまうはず。
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また同じくカツベン役にふんした永瀬正敏、高良健吾によるパフォーマンスも見どころだ。豪華俳優陣で織り成すアクション&笑い&涙&ラブがテンコ盛りの極上エンターテインメントをお見逃しなく。
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北村匠海の“声の演技”に魅了
『ぼくらの7日間戦争』
宗田理の不朽のベストセラー小説を劇場アニメ化。宮沢りえのスクリーンデビュー作となった実写版『ぼくらの七日間戦争』(1988年)と地続きとなる物語で、30年後の北海道を舞台に“ぼくら”の新たなる戦いを描く『ぼくらの7日間戦争』。
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北村さんがふんしたのは、歴史好きで心優しい少年・鈴原守役。片想いをしている幼なじみの千代野綾(芳根京子)が一週間後に引っ越しをすることになり、17歳の誕生日をこの地で迎えたいという彼女の望みを叶えてあげようと家出を計画するという役どころだ。
悩んだり、躊躇したりと右往左往する守を演じた北村さんの、心情がにじむ見事な声の演技に魅了される。
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自分たちの言い分ばかりを押し付けてくる大人へのアンチテーゼを描いた前作のスピリットはそのままに、SNSがコミュニケーションインフラとなっている世の中や社会問題にも切り込んだ本作。守たちがタイ人の不法入国者の子どもと出会ったことで、物語は予想外の展開を迎えることに。
喜びや悲しみ、様々な経験を積んで “自分らしく生きよう”と決めた彼らの奮闘に乞うご期待。
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今回紹介した5作品はただいま劇場にて公開中。ますます寒くなるこれからの季節、まずはハートから温めてポカポカの冬を過ごしましょう。《text:足立美由紀》