東京国際映画祭が終わって、最初に観た映画は『イエスタデイ』でした。昨日から、いや、去年からずっと観たかった映画でした。東宝東和時代に2019年のラインアップパンフレットに載っていて、世界から突然ビートルズの歌が消えて自分だけがそれを知っているというものでそのプロットを読んだときに何て面白いんだろうと鳥肌が立ちました。それを映画祭が終わってやっと観れました。スタイリッシュな演出といえばこの人は間違いなく世界トップクラスであろうダニー・ボイル監督と大好きな映画『ラブ・アクチュアリー』の脚本家にビートルズの音楽って、最強すぎるだろう! って思ってて、でもこういう自分の中の期待値が高過ぎると、実際に観たときにはそこまで届かないということはよくあることで、いわゆるバーが高過ぎたというやつですが、今回はそんなことは全くなく、むしろ高過ぎると思われた期待のバーも軽く超えて、想像以上でした。一言で言うと、もうこれはビートルズの音楽の素晴らしさでしかないのですが、僕がしびれたのは、この世界にはいまのこの世界のあり様を変えた人たちが確実にいたんだと思えたことでした。ビートルズのいない世界はもはやいまの我々では考えられないことで、ビートルズが残してくれた音楽を幸いにもいまも我々は享受することが出来て、それに影響を受けた人たちがまた未来の世界を変えていく可能性に満ちていて、ひいてはこんな素晴らしい映画まで作ってくれてしまう。大袈裟だけど、これが進化ということなのかもと思えた次第。もしもビートルズがいなかったなら、たとえビートルズがいたとしても。世界はあらゆる可能性に満ちている。感動しました。こんな映画が観たかったと思える映画でした。そして、こんな映画を東京国際映画祭でも観てみたかったと心の底から思いました。In my life I love this movie more.