タランティーノ監督といえば、妻ダニエラ・ピックさんが妊娠していることが明らかになったばかり。会見冒頭、司会者から祝福の言葉を受けると、「家中に小さな“タラちゃん”が、たくさんいる日も近いと思うよ」と上機嫌だった。
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タランティーノ監督は13年2月の『ジャンゴ 繋がれざる者』以来、6年半ぶりの来日。また、ディカプリオは『レヴェナント: 蘇えりし者』で念願のオスカー受賞を果たした直後の2016年3月に続き、11度目のプロモーション来日が実現した。2人は『ジャンゴ 繋がれざる者』でもタッグを組んだが、コンビでの来日は今回が初めてとなる。
タランティーノ監督、映画&日本愛溢れるトークを展開
ハリウッド黄金期の1969年を舞台に、人気のピークを過ぎたテレビ俳優のリック・ダルトン(ディカプリオ)と、リックを支える付き人でスタントマンのクリス・ブースが思わぬ事件に巻き込まれる。タランティーノ監督にとっては9作目となる長編作品だ。
「ビデオ店で働いていた僕が、気が付けば9本も映画を撮っているんだからね。しかも、商業主義じゃなく、アーティストとして現場にいられる。こんなミラクルはないよ。今回、大きな変革期を迎えた当時のハリウッドを舞台に、改めて映画の歴史を掘り下げることができた」(タランティーノ監督)
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もちろん、1960年代のカルチャーを徹底リサーチしたそうで「69年といえば、蔵原惟繕監督の『栄光への5000キロ』という映画、知ってるかな? 英語字幕付きのDVDを探しているんだ。あと2日ほど日本に滞在するから、ぜひ連絡をほしいな」とアピール。来日会見の場で、映画オタクぶりを発揮した。
ディカプリオ、ハリウッドは「魔法の世界」
ハリウッドで生まれ育ったレオにとって、本作は特別なものだといい「子どもの頃から、学校から帰るとオーディションを受けに行くというのが日常。それは幸運だったかもね。何より、家族と友だちがいる場所。確かに悪い人もいるけど(笑)。成功と失敗を生み出す夢の工場であり、魔法の世界さ」と思いを吐露。「でも、こうして仕事をしていられる。しかも多くの場合、自分に決定権があるなんて、奇跡だよ」と話していた。
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“相棒”を演じるブラット・ピットについては「お互いに成功はしているけど、ハリウッドの“メインストリーム”からは一歩引いた存在だからね。そういう立ち位置は、今回のキャラクターにも共通しているかもしれない」。
落ちぶれスターとその付き人兼スタントマンという関係性については「業界で生き残るために、互いを必要としている。依存し合っているんだ。激動する時代に、まるでコインの裏表みたいにね」と語った。
会見にはプロデューサーのシャノン・マッキントッシュも同席した。
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『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は8月30日(金)より全国にて公開。