そんな中、まるで“韓国の『アベンジャーズ』”といっていいほど、名子役からアイドル、実力派まで韓国のスター俳優たちが集結し、アジア、北米などであの『新感染 ファイナル・エクスプレス』を超える大ヒットとなった『神と共に』2部作が、SNSを中心に盛り上がりを見せている。
「今年イチ泣いた…アクションもファンタジーもミステリーも全部マシマシのっけ盛り丼みたいな映画!」「濃厚なエンターテイメント!! 涙あり、笑いあり、バトルあり!」といった熱い声に押され、従来の韓国映画ファンのみならず、新たな層にもその熱は伝播。6月28日(金)から公開される『第二章:因と縁』を前に公開中の『第一章:罪と罰』に駆け込む人が相次ぎ、先週末などは上映館や上映回数が減ったこともあってか満席完売となる回も。『第二章:因と縁』への期待の声も大きく、ひょっとしたら、あの『バーフバリ』や『カメラを止めるな!』のようなムーブメントになる…かもしれない可能性を秘めている。
「見たことある!」韓国ドラマ&映画の人気俳優が総出演
人気ウェブコミックを原作に、誰もが想像はするけれど行ったことのない“地獄”を、VFXを駆使した圧倒的ビジュアルで表現し、韓国エンタメが得意とする家族愛を中心にすえた激エモのストーリーで映画化した本作。日本でもヒットした『新感染』を超え、本国では歴代興行成績第2位を記録、2部作を合わせると韓国の人口の半分以上が見たことになる2700万人を動員した。
5月24日(金)より公開された『神と共に 第一章:罪と罰』は興行収入5200万円超となっており、話題作がひしめく中、Twitterと連動できる映画レビューサイト「coco」ではレビュアー満足度90%と高い数値を維持している。
その一番の魅力は何と言っても、「アベンジャーズの如く知った顔だらけ」の豪華なキャスト陣にある。日本や世界各国で話題を呼んだ作品に出演している、“見たことのある”顔ぶればかりなのだ。まずは、『チェイサー』『哀しき獣』、近年では『お嬢さん』『1987、ある闘いの真実』などに出演するトップ俳優ハ・ジョンウ。
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『アシュラ』『背徳の王宮』『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』などイメチェンが功を奏して引く手あまたのチュ・ジフン。
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韓国版「女王の教室」や『優しい嘘』『私のオオカミ少年』と成長を見せるキム・ヒャンギが、救出活動中に不慮の死を遂げた消防士を“死後の世界”へと案内する冥界の使者トリオを演じ、好評を得ている。
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リーダー格のカンニム(ハ・ジョンウ)、護衛担当のヘウォンメク(チュ・ジフン)という長身の2人が、スタイリッシュなロングコート風衣装で、時に消防士を守るために地獄鬼や怨霊と戦う姿には、「眉目麗しい」「いちいちカッコいい」と萌える人が続出。アクションはクールだがキャラが残念なヘウォンメクと一番年下ながらしっかり者のドクチュン(キム・ヒャンギ)には、「ヘウォンメクとドクチュンみたいなコンビ好き」「愛らしいー」との声も上がり、キャラの立った「使者3人がかわいいの極み」「使者トリオがかわいい」と、人気のバロメーターともいえる二次創作も数々アップされている。
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そんな彼らに地獄の裁判で弁護・警護される消防士ジャホンを演じるのは、『猟奇的な彼女』のチャ・テヒョンだ。誰もが彼に抱く“いい人”のイメージそのままに、死者の中でも“貴人”と呼ばれる“正義の亡者”に。だが、7つの地獄で裁判が行われながら、そんな彼にも罪深い過去があったことが次第に分かってくる。
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また、<怠惰><ウソ><裏切り>など7つの地獄には“裁判長”にあたる大王がいる。ここにも、『新感染』でコン・ユの娘役を演じたキム・スアン、『ブラインド』「紳士の品格」のキム・ハヌル、“国民的お母さん”キム・ヘスクらに加え、あの閻魔大王を『新しき世界』『10人の泥棒たち』のイケオジ俳優イ・ジョンジェが長髪&ひげ姿で演じており、「閻魔様イケメンすぎ笑」「閻魔様萌え」と言われたりも。
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さらには、ドラマ「コーヒープリンス1号店」の末っ子キャストでブレイクし、R指定映画『後宮の秘密』では松坂桃李さながら(?)の大胆ラブシーンに挑んだキム・ドンウクが、除隊を間近に控えながらも“脱走した”兵長スホンを熱演。実はこのスホンとチャ・テヒョン演じる消防士ジャホンは兄弟で、この2人にある確執が『第一章:罪と罰』のキーとなっている。
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そのスホンが軍隊で面倒を見るのが、『明日へ』『7号室』『あの日、兄貴が灯した光』などで知られ、演技もできるアイドル=“演技ドル”の代表的存在である「EXO」のD.O.(ド・ギョンス)演じるドンヨン。入隊する男子全員が筋骨隆々で猛々しいわけではなく、実際、彼が演じたような繊細で、不安定で、軍に馴染めない兵士もいるはずだ。
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加えて第二章には、『新感染』で日本はもちろん世界中から注目を集め、ついにはマーベル映画『エターナルズ/The Eternals』(原題/2020)に抜擢されたマ・ドンソクが参加。「ドンソク兄貴の第二章が今から楽しみ」「マ・ドンソクも出てくる第二章も見に行きます!」「次作マ・ドンソクでてくるし見たい」という声が多数上がっている。
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冥界アドベンチャーアクションながら兄弟愛、母子愛に「涙が止まらない」
メガホンをとったのは、ゴリラのプロ野球選手を描いた『ミスターGO!』や全身整形美女の奮闘を描く『カンナさん大成功です!』など、一見、奇想天外ながら人間愛溢れる熱いメッセージを作品に盛り込んでくるキム・ヨンファ監督。『神と共に』は準備に5年、撮影に1年をかけたそうで、2部作を同時進行で製作するのは韓国映画初の試みだったという。
そんな本作は、「シリアスで重いクールな感じを想像していたけど、軽い感じのユーモア満載で、韓国らしい人間ドラマもあるファンタジーなアクション映画」「スピーディなVFXバトルが見応えあるが、ドラマパート部分に『やられた!』という感じ」「ジェットコースター展開なのにジワジワ観ハマっていってしまう」などなど、鑑賞者の声からもまさしく“全部のせ”であることが伝わってくる。
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“全部のせ”のラストを飾るのは、韓国映画ならでは母と子、兄弟や友情の物語だ。「良い人感120%のチャ・テヒョンが絶対に地獄に落ちる訳無いでしょ?でもそこは韓国映画!手の込んだ仕掛けがあれこれと!」「清廉潔白な男の人生の諸相が秘めた深い悔恨と、その救済を描く物語は実に感動的」「3人の冥界の使者と地獄巡りをするジャホンの家族の物語がエモーショナルに描かれていて心の琴線に触れます」「面白くてかっこいい!って前評判で行った(中略)こんな泣ける映画だって知らなかった」と、練りに練られた伏線がラストに向かって収束していくと変容するストーリーに絶賛の声が続々。
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こうした生と死に向き合う人間ドラマの根幹を描きつつ、アドベンチャーあり、アクションあり、地獄や怨霊のおどろおどろしさに、現世での格差拡大や貧困などの社会問題も忘れておらず、加えて笑いとのバランスも見事。とりわけ、3使者の中でヘウォンメク役のチュ・ジフンが利いており、2か月以上に及ぶ練習を重ねたというキレキレアクションをハ・ジョンウと披露したかと思えば、キム・ヒャンギの前ではマジメな顔してとぼけてみせ、ハラハラドキドキの緊張の糸をほぐすシーンも随所に用意されている。
ハリウッド映画をいいとこ取りの世界観。第二章は『ジュラシック・パーク』風?
キャスト陣が“アベンジャーズ”状態である上に、煮えたぎる溶岩や三途の川、谷底の見えない岩場、広大な砂漠など、「テーマパークとしての地獄めぐりが面白すぎる」のも魅力。さながら『ロード・オブ・ザ・リング』や『インディ・ジョーンズ』のような胸躍るスペクタクルが繰り広げられる地獄の世界観は、ヨンファ監督が自ら立ち上げ、ハリウッドでも活躍するVFX会社「デクスター・デジタル」によるもの。それはスクリーンで堪能すればこそで、「ジョンウとジフンの豪華ツートップガイドつきLOTR的地獄めぐり、サイコー!」との声も上がるほど。
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しかも、この2人、カンニム(ハ・ジョンウ)とヘウォンメク(チュ・ジフン)の立ち姿はまるで『マトリックス』? 怨霊とのバトルは『ハリー・ポッター』の魔法や、それこそ『ドクター・ストレンジ』などのアメコミ映画を彷彿とさせ、“全部のせ”感をさらに押し上げる。
先日解禁になったばかりの『第二章』本編映像では、かつて怨霊だったが貴人となったスホン(キム・ドンウク)が、なんと地獄で恐竜ラプトルから逃げ惑うシーンが。ティラノサウルスも登場し、『ジュラシック・パーク』や『ジュラシック・ワールド』の名シーンもVFXで完全再現!? 当初グリーンバックでの演技に抵抗のあったハ・ジョンウは、『アベンジャーズ』シリーズのロバート・ダウニー・Jrのメイキング映像に励まされた、らしい。
そんな『第二章』では、『第一章』で大好きになった冥界の使者たちの過去=因縁が描かれる様子。マ・ドンソクによるコメディパートも期待できるが、予告映像などではチュ・ジフンが涙するシーンもあり、個々のドラマがより濃密になっていくようだ。また、現地ニュースによれば、D.O.が7月にリアル入隊するのは、除隊後に第三章、第四章に参加するためとも伝えられている。その2作も同時に撮影を行う予定とか。『神と共に』が冥界シネマティック・ユニバースと化す日が来たりして…。
『神と共に 第二章:因と縁』は6月28日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。
『神と共に 第一章:罪と罰』は全国にて公開中。