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今回到着した本編映像は、突き出た太鼓腹と体毛たっぷりの自分自身の姿なんてお構いなしのおじさんたちが、その演技を「転がる芋」と自分の娘ほどのコーチに罵倒されても、必死でシンクロ練習に励むシーンが切り取られている。
上達するためには「空気と水を切り裂かなきゃ」とコーチから指導されるもピンとこないおじさんたち。そこで提案された練習法は、「順番に一言、叫んでから飛び込む」こと。「バカげてる」と文句を言いつつも、プールの飛び込み台に1列に並んで素直に従う姿が見られる。
「バカげてる」「ローン」「抗うつ剤」と、それぞれいまの自分の気持ちの大きな割合を占めるワードを叫びなら次々とプールに飛び込むが、「にゃんにゃんペロペロ」と訳の分からない単語を叫び出すおじさんもいる始末で、全くのカオス状態に!
その後、水中での動きを揃える(シンクロ)練習を始めるが、そう簡単にうまく行くはずもなく「シンクロしてない!」とまた怒られてしまう。上達への希望を信じながら、水中で必死に手足をばたつかせてシンクロ練習に励むおじさんたちに、ただただ感動を覚える本編映像となっている。
本作の魅力の1つが劇中登場する様々なタイプの“おじさんキャラクター”たち。マチュー・アマルリック演じる引きこもりニートおじさん・ベルトランをはじめ、ギョーム・カネ演じる不満だらけの短気おじさん・ロラン、ブノワ・ポールヴールド演じる会社は倒産寸前、現実に向き合えない中二病おじさん・マルキュス。
そして、「パパには才能が無い」と娘から一刀両断されるもミュージシャンを目指し続ける、ジャン=ユーグ・アングラード演じる夢追いおじさんシモン、フィリップ・カトリーヌ演じるいつも1人ボッチのピュアな童貞おじさん・ティエリーなど、まるでダメなおじさんたちの見本市だけど、思わず前のめりに応援したくなる愛らしさで溢れている。
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『シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢』は7月12日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開。