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本作は、教師と生徒の関係を描き続けてきた作家・重松清が、“特に教師濃度の高い作品集”と語る、短編集「せんせい。」所収の「泣くな赤鬼」の映画化。
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柳楽さんが演じているのは、陽に焼けた赤い顔と、鬼の熱血指導から“赤鬼先生”と呼ばれていた小渕隆(堤真一)の教え子・斎藤(ゴルゴ)。川栄さんは彼の妻・雪乃を演じている。
柳楽さんと兼重監督は、監督が是枝裕和監督の助監督をしていたときからの付き合いで、兼重監督は「原作を読んで、ゴルゴ役には柳楽さんしか浮かばなかった」と言い、川栄さんについても「子供を抱いている川栄さんを見たかった」と起用理由を明かしている。
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柳楽さん演じるゴルゴは、野球の素質を持ちながらも、挫折して高校を中退。立派に成長したが、現在病に侵され、命の期限が迫っているという役どころ。
人生初の野球に挑んだ柳楽さんだったが、撮影前に野球部の練習に参加した際には「特別扱いしないでください」と全力投球したり、病に侵されていく様を演じるため、撮影期間中に1週間ほど休みを取り、5kg体重を落として撮影に臨んだり。「本当に素晴らしい方だなと感じました」とそんな役作りを行う柳楽さんに対し、兼重監督は賛辞を贈っている。
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さらに、主演の堤真一も「柳楽くんは芝居に入るとスイッチが入るタイプで、普段と人柄とかわる。本当に彼の演技には大泣きさせられました」と絶賛している。
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一方で出演者たちからは“監督からの演出は最小限”だったそうで、特に川栄さんには監督自身「申し訳なく思っている」というほど演出をしなかった。しかし、「最低限のことを伝えただけで、あんな風に演じてくれるとは思っていなかった。理屈ではなくて生理的に受け止めて役が憑依してしまう、天才と言っていい役者さんだと思います」と大絶賛した。
柳楽さんと川栄さんは、監督にとってまさに理想のキャスティング。教師と元生徒との物語だけでなく、周りを固める魅力的な登場人物たちにもぜひ注目して観て欲しい。
『泣くな赤鬼』は6月14日(金)より全国にて公開。