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ピカソ、ゴッホ、フェルメール、マティス、ムンク、モネ…いまもなお多くの名画たちが行方不明――。1933年から45年にかけて、ナチス・ドイツがヨーロッパ各地で略奪した芸術品の総数は約60万点にのぼり、戦後70年以上経った現在でもなんと10万点が行方不明と言われる。
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彼らはピカソ、ゴッホ、ゴーギャン、シャガール、クレーらの傑作に“退廃芸術”の烙印を押し、それらを貶め、一方で純粋なアーリア人による写実的で古典主義的な作品を擁護。同時に、ヒトラーは故郷リンツに“総統美術館”設立の野望を抱き、右腕的存在のゲーリング国家元帥と張り合うかのうように、ユダヤ人富裕層やルーブル美術館からも問答無用で美術品の略奪を繰り返したという。
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フィンセント・ファン・ゴッホの誕生日である3月30日、今回解禁された本編映像では、晩年ゴッホが診察を受けていたパリ・近郊に住む医師ガシェがモデルで、ゴッホが死の1か月余り前に描いたと言われている彼の傑作「医師ガシェの肖像」(1890)が、ナチス・ドイツから堕落とみなされ、ゲーリングの命でフランクフルトの美術館から没収されていた事実を紹介。また、ゴッホの自画像「Self-Portrait Dedicated to Paul Gauguin」もスイスのオークションにかけられていたと説明している。
権力は芸術をも支配できると妄信するナチスが行った歴史上最悪の美術品強奪によって、不遇な運命を辿っていた名画たち。本作を観れば、今後、きっと美術鑑賞でも見方が変わってくることだろう。
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『ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ』は4月19日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて公開。