洋画会社に移ったので、いままで以上にアカデミー賞に注目するようになりました。主要作品で事前に観れていたのは『女王陛下のお気に入り』『アリー/ スター誕生』くらいのものでしたが(『万引き家族』と『未来のミライ』はもちろん観ています)、観た作品が受賞するのも、観たいと思っている作品が受賞するのも、どちらも面白いです。これは色んなメディアでも言われていますが、今年のアカデミー賞は受賞は1つの作品に集中するようなことがなく、様々な作品に受賞がばらけて、まさにアカデミー賞が標榜しようとしているDIVERSITY(多様性)を象徴したような結果になりました。個人的にはこのDIVERSITYという英単語には大学受験時代に出会っていて、なんかかっこいいなぁと思ってて好きな言葉でした。(ちなみに、AMBIVALENTという二律背反、両面性という言葉も好きです)主要部門の受賞結果をさらってみると、『ボヘミアン・ラプソディ』:主演男優賞、編集賞、音響編集賞、録音賞『グリーンブック』:作品賞、助演男優賞、脚本賞『ブラックパンサー』:美術賞、衣装デザイン賞、作曲賞『ROMA/ローマ』:監督賞、撮影賞、外国語映画賞『女王陛下のお気に入り』:主演女優賞『ビール・ストリートの恋人たち』:助演女優賞『アリー/ スター誕生』:主題歌賞『ブラック・クランズマン』:脚色賞『バイス』:メイクアップ&ヘアスタイリング賞『ボヘミアン・ラプソディ』が最多4部門での受賞となったわけですが、色んな作品にスポットライトが当てられて、とても興味深かったです。試しに、翌日のTVの民放各社の番組での取り扱いを見比べてみたのですが、ある番組ではスパイク・リーの初受賞に焦点を当ててたり、ほかの番組ではレディー・ガガだったり、細田守監督をフィーチャーしているところもあれば、現地でのロケをしていたり、洋画配給会社での受賞の瞬間を捉えていたりと、これもまさにDIVERSITYで色々な切り口があって面白かったです。かの村上春樹も言っていましたが、「世界はまだらで美しい」。まさにその通りかと。もし世界が1つの色しかなかったとしたら、何てつまらない世界になることでしょう。色んな色や色んな人がいるからこそ美しくて面白いわけで、思えば映画はそういう色んな人の色んな人生を味わえるものでもあるので、これもDIVERSITYですね。これから受賞作が日本で公開されていくので何とも楽しみです。弊社配給の『ファースト・マン』も視覚効果賞を取りましたので、こちらも是非!【2019.2.27】