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『神様メール』『ミスター・ノーバディ』(監督)のジャコ・ヴァン・ドルマルと、長年の友人でもあるハリー・クレフェン監督がタッグを組み、詩的で幻想味あふれる映像美を生み出した本作。
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この度公開されたのは、監督のハリー・クレフェンによる、本作での姿が見えない男の子と、目が見えない女の子の幸福の日々を、いかにして映像にしたのかが分かるメイキング映像だ。声と匂い、気配や息遣い、体が触れ合った感触などは、CGや実写を駆使して納めている。
監督のビジョンとしては、「どうやって撮ったか分からない」ような不思議な映像を目指していただけに、撮影は困難を極めた様子。映像を担当したウィリー・ル・ブレイとマルク・ヘリシェールは特に実写とCGを連動させる映像が難しかったと語り、「全部CGも大変だが元々ある物と絡む場合は複雑さが全然違う」とコメント。
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本作で特に印象的なシーンは、劇場にてマドレーヌが空中に浮くシーン。彼女を支えている椅子を映像では隠す必要があるのだが、衣装が透けているため、単純に隠すだけでは不可能だったと、幻想的なシーンに潜む撮影の難しさを子細に語ってくれた。
ほかにも洗面台でエンジェルが水に手を浸すシーンも、実際の洗面台から周りの小道具までをデータとして再構築し、動きをCGにするためにシミュレーションするなど、幾重にもなる手間がかかったシーンとなっている。
ウィリーとマルクは本作での撮影が困難の連続だったと同時に、これまでの作品の中で、もっとも深く関われたとし、いままでにない経験ができたと笑顔で語った。監督のハリーも、半年間特殊効果の撮影に全力を尽くしてくれた2人に感激の様子で、「彼らとの共同作業は本当の意味で芸術的だった」と賞賛した。
『エンジェル、見えない恋人』は10月13日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開。