これは「Other Digital Stuff/Other Digital Source」の頭文字を取った映画業界用語(日本だけなのか海外でも同様なのかはわかりません)で、映画館で映画以外の例えばコンサートや舞台やスポーツなどの非映画コンテンツを上映したりすることのことです。最近だと、海外の舞台やコンサートなどを上映したりもしているようです。海外のこういったステージものは何しろ観たくても海外なんで本当に手が届かないことが多いので、大画面と大音響で、しかも安価で近場で楽しめるというのは、これはODSの大きな魅力の一つですね。
そんなODSの中の1つにオペラやバレエもあって、「METライブビューイング:オペラ」とかが有名なところなんですが、あの熊川哲也もかつて在籍していた本場イギリスのROYAL OPERA HOUSEのオペラとバレエを上映している「英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン」というものがあります。この中で今年ロンドンで上演されて業界を席巻した話題のバレエがあります。かの有名な「白鳥の湖」です。辛口で知られるイギリスやその他のヨーロッパ系のバレエ評でも各紙が軒並み五つ星★★★★★をマークして絶賛が絶賛を呼び、今年のバレエ界の最大の衝撃と言われました。
「白鳥の湖」と言えばバレエのバの字も知らない自分でも知っているバレエ作品で、いわゆる名作中の名作なんですが、これをROYAL OPERA HOUSEが温故知新で、モダンだけどクラシックで、センセーショナルなんだけど感動的な作品を誕生させています。これはバレエを知らない人でも、元々の傑作をその精神を損ねることなく、それでいて新しい形で再生させるということをやってのけているので、これを観るのはとても刺激的な体験です。意匠も絢爛豪華で見応えありです。