■テーマは「家族」 ひょっとしてイイ話?
『アベンジャーズ』『スパイダーマン』といったマーベルヒーローの中でも、異彩を放ちまくるウェイド・ウイルソン/デッドプール(ライアン)が本作では、なんと人助け! 恋人のため「善良な人間になる」と誓い、未来からやって来た殺人マシーンから、特殊能力を秘めた少年を守ろうと奮闘する。テーマはずばり「家族」…って、ひょっとしてイイ話なの? デッドプールのくせに?
「それは見てのお楽しみだけど、確かに疑似家族の姿を通して、僕らなりに伝えたいメッセージはあるよ。もちろん、相変わらず、やりたい放題で、ほかのヒーローなら絶対な無理な言動もOKっていう特権がある。キャプテン・アメリカじゃないからね(笑)。大げさに世界や銀河を救ったりはしない。1人の少年に手を差し伸べるだけだ。もちろん、ファイトシーンは見どころだよ。1作目はザコキャラ相手に銃を使っていたけど、今回はケーブルっていう強敵が現れて、ナイフを使った接近戦が増えた。首の血管が浮き出るような、より危険な肉弾戦なんだ」

■失敗作も笑い飛ばす!「自分で自分を笑えることが大切」
前作を観ているファンなら、ライアン本人が過去に主演したヒーロー映画『グリーン・ランタン』のことを失敗作だと認めているのは、ご承知のはず。実は本作でも、そんな『グリーン・ランタン』いじりは健在である。「自分で自分を笑えることが大切だし、自虐的にネタにできるのは役得だよね(笑)。こればっかりは、好きでやってるよ!」とライアン。
ただし、デッドプールを演じる上でのトレーニングや肉体改造には余念がない。「だって、もう41歳だからね。撮影中にケガなんかしたら、それこそ痛々しくて笑えないよ…。何より、100%デッドプールになりきるには、心身ともパーフェクトな状態でなければいけない。ファンに、ごまかしは通用しないからね」
■編集中にディズニーがフォックスを買収! 辛辣ジョークもお蔵入りに
80年代のポップカルチャーをベースにした“小ネタ”の数々も『デッドプール2』の目が離せないポイント。「今回も脚本家チームと知恵を絞って、まるでイースターエッグのように随所に散りばめているよ。1度や2度見た程度じゃ、すべてをチェックはできないはず」と胸を張る一方で、「法的な理由でNGになったネタも、山ほどあるよ。それに編集のタイミングで、ディズニーがフォックスを買収したせいで、撮影してあったディズニーに対する辛辣なジョークは捨てざるを得なかったんだ」と舞台裏を明かす。

ただし、ガッカリする必要はなし! 誰もが知るハリウッドの超A級スターが(しかも2人も!)、ぜいたく過ぎるカメオ出演を果たしているので、ぜひ見つけてほしい。これこそ、本当に1度や2度見ただけでは、気づけないかも。
■ぶっちゃけ、アベンジャーズ入りに興味ある?
ディズニーによる買収劇によって、デッドプールが『アベンジャーズ』に参戦する可能性もゼロではなくなった。ライアン本人は、ぶっちゃけ興味ある?
「うーん、個人的にアイディアは浮かばないな。そもそも、デッドプールがアベンジャーズの一員として、うまくやっていけるはずないしね。きっと、仲間入りした5分後には、誰かが僕のこと、殺したくなっちゃうよ(笑)。ただ、アンサンブルは無理でも、誰か1人とペアリングするというのは、アリじゃないかなあ。クールだと思うよ」
『デッドプール2』では未来から来た強敵のケーブルを倒すため、特殊能力者をかき集めたスペシャルチーム“Xフォース”が大活躍! そして、その“Xフォース”を軸にした新たな映画の企画も動き出している。「いままさに、才能あふれるドリュー・ゴダード監督と一緒にアイデアを練っている段階。『デッドプール』とは、また全然違うテイストにしようって話をしているところだよ。日本で撮影するのもいいね。『ウルヴァリン:SAMURAI』みたいにさ」

■妻と一緒に「メットガラ」に行くのは、勇気が必要?
ウェイド・ウイルソン/デッドプールとヒロインのヴァネッサとの恋愛模様も気になるところ。ライアンいわく「お互いを見つけあった、完ぺきなカップル」だといい、さらに「僕と妻のブレイクの関係性が反映されているかもね」とおのろけ発言も。ライアンは脚本にも携わっているので、この言葉にうそはないだろう。
「僕ら夫婦は年齢が離れているから、ミレニアム世代の彼女に意見を求めることもあるよ。例えば、『君たちの世代は、バーブラ・ストライサンドって知ってるの?』とかね。ただ、あまりに映画の内容を話し過ぎたりはしない。彼女が完成した映画に、どんなリアクションを示してくれるか楽しみだからね。『デッドプール2』をNYプレミアで観た彼女は、『泣いて感動した』と言ってくれたよ!!」
ちなみに「自分自身にとってのヒーロー的行動は?」と聞くと、「妻と一緒にメットガラに行くことだね」とポツリ…。世界中のセレブが集まるファッション界最大のイベントも、デッドプール=ライアン・レイノルズにとっては、勇気が試される時間のようだ。
『デッドプール2』は全国にて公開中。