15時45分に上映に戻り、「ある視点」部門のブラジル映画で『The Dead And The Others』という作品。森の中の村で暮らすネイティブ青年の葛藤を描く物語。アートな映像を強調するあまり、少しやり過ぎの感があり、評価は微妙なところ。よい作品ではあるはずのだけに、残念。
続いて19時45分から、「スペシャル・スクリーニング」部門に出品されているフランスのドキュメンタリーで『To The Four Winds』という作品。北イタリアから南フランスに渡るアフリカ難民の面倒を見る農家の男性に密着する内容で、不法移民をかくまうことは違法かもしれないが、困難にある人々を無視は出来ないだろうという姿勢を男性は貫く。男性の行動を通じ、政治とヒューマニズムの境目がリアルに見えてくる。
今回のカンヌでは日本の配給会社も活発に動き、かなりの数の作品が(高値で)買われているという話が耳に入ってくるけれど、この『The Gentle Indifference of the World』は上映が終盤ということもあり、あまりチェックの対象になっていないのではないだろうか? 実際のところは分からないけれども、少なくともまだ日本公開のうわさは聞こえてこない。秀逸なセンスを持つアディルカンの作品、是非日本で紹介したい!