■原作は性の極限を描いた石田衣良の同名小説!
性の極限を描いたセンセーショナルな内容は大きな話題となり、多くの女性から共感を得、2001年の直木賞候補となった作家・石田衣良の同名小説が原作。
監督は、池松壮亮と門脇麦のセックスシーンが話題となった『愛の渦』などを手掛ける三浦大輔。「ひとつひとつの行為によって、どういう感情が沸き起こり、それを積み重ねることによって、人間と人間の間にどういうコミュニケーションの形が生まれるのか、丁寧に細かく、その解像度を高めて、描いていきました」。
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これまで何度も映像化の話が出ては沈んでいったという本作はかなりの“挑戦”となった。原作者の石田氏も「娼年」執筆にあたり、編集者に大学生の娼夫がたくさんの女性と性の仕事をしていくなかで、ひとりの人間として成長していくストーリーであることと、「セックス表現からは絶対に逃げないで書きたい」と話していたそうで、そんな監督&原作者がこだわった、「性描写に関しては妥協しない」「セックス表現からは絶対に逃げない」という、“R18+も厭わない”アプローチが映画化実現への大きなポイントとなったようだ。
■あらすじ
主人公は、森中領(通称:リョウ)。大学生活にも退屈し、バーでのバイトに明け暮れる無気力な生活を送っている。リョウの中学校の同級生で、ホストクラブで働く田島進也(通称:シンヤ)がある日、ホストクラブの客として訪れた女性を、リョウの勤めるバーに連れてきた。女性の名前は御堂静香。恋愛や女性に「興味がない」という領に静香は“情熱の試験“を受けさせる。それは、静香がオーナーである秘密の会員制ボーイズクラブ、「パッション」に入るための試験であった。
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最初こそ戸惑ったが、「娼夫」として仕事をしていくなかで、女性ひとりひとりの中に隠されている欲望の不思議さや奥深さに気づき、心惹かれ、やりがいを見つけていくリョウ。「女性は退屈だ」と言っていたかつての姿が嘘のように、どんな女性の欲望も引き出し、彼との時間を過ごすことによって、彼を買った女性たちは自分を解放していく。やがて静香に対しても想いを寄せるようになるのだが…。
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■女性との濃密な“触れ合い”で成長していく…予告編
退屈な日常を送る20歳の大学生・森中領(松坂さん)は、会員制ボーイズクラブのオーナー・御堂静香(真飛さん)に誘われ、娼夫「リョウ」として仕事を始める。最初は戸惑ったものの、リョウは様々な女性たちと身体を重ねながら、彼女たちの心の奥に隠された欲望や心の傷を優しく愛し、自らも少しずつ成長していく。
■気になるキャストは?
主演の松坂さんのほかに、恋愛や女性に「興味がない」というリョウを見出し、娼夫になるよう誘う会員制ボーイズクラブ「パッション」のオーナー、御堂静香には、元・宝塚花組トップの女優・真飛聖。「パッション」に入るための“情熱の試験”の場でリョウの前に現れる静香の娘・咲良役に、園子温監督の秘蔵っ子として『アンチポルノ』で主演を務めるなど活躍し、三浦監督の『何者』にも出演した冨手麻妙。
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リョウが「娼夫」として出会う、さまざまな客たちからは、わけありの泉川夫妻の夫役に西岡徳馬、上品な老女役には舞台に引き続き江波杏子。松坂さん演じる領の同級生・田島進也に小柳友、同じクラブで働く平戸東(通称:アズマ)に猪塚健太、そしてリョウによって、その欲望を引き出されていく女性客たちに、桜井ユキほか、馬渕英里何、荻野友里、佐々木心音、大谷麻衣、階戸瑠李という注目女優たちが、各々まさに全身全霊で役にぶつかっていく。
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■松坂桃李×高岡早紀で2016年に舞台版「娼年」
舞台には珍しく「R」指定がついていた本作。映画版と同じく松坂桃李が主人公を演じ、脚本・演出を三浦大輔が手掛けていた。当時松坂さんは、「決意というより本当にこんな役が僕にくるなんて、と思っていたので周りの皆さんが思っている僕のイメージと、作品に関わるイメージがイコールにならないのかなと思ったので、なかなかないチャンスだなと思いました」と、自身の新境地でもあると匂わせていた。
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ボーイズクラブのオーナー御堂静香役に高岡早紀、リョウの“情熱の試験”の相手をし、彼の才能を一番初めに見出す御堂咲良(サクラ)役に佐津川愛美。またリョウの客となる女性役の村岡希美(ヒロミ)、安藤聖(ミサキ)、良田麻美(チサト)、須藤理彩(イツキ)、リョウの先輩・アズマ役の猪塚健太、そして三浦作品常連の米村亮太朗(シンヤ)、古澤裕介(泉川氏)が出演。さらに追加で、リョウのお客様の1人、老女役に江波杏子。リョウの友だちのメグミ役に樋井明日香、またリョウのお客様の1人泉川紀子役に遠藤留奈の2人がオーディションにより決定した。
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■舞台を経て映像へ…松坂桃李、この役は「本当にラッキーだった」
シネマカフェが取材した際に松坂さんは「舞台が終わって、映画のお話をいただいたんです。それから、僕と三浦さんで飲みに行って、『やるよね?』と確認し合ったりして。『やります、三浦さんも監督されますよね!?』っていう感じで(笑)。映画は監督のもの、舞台は役者のもの、という認識があったりもしますけど、『娼年』においては、そういった割合…責任を半分ずつ分け合おうと思いました。だから、もしも何かあったら、その責任は僕のせいであるし、三浦さんのせいでもある、という意識関係でした」と語った。
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現在29歳の松坂さんは、2009年「侍戦隊シンケンジャー」で俳優デビュー後、単独初主演の映画『ツナグ』、NHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」、大河ドラマ「軍師官兵衛」などで大きな注目を集めてきた。その後も演じた役柄は、『日本のいちばん長い日』の血気盛んな青年将校・畑中健二役、『ピース オブ ケイク』のオカマの天ちゃん、『劇場版MOZU』の殺人鬼・権藤剛役、「ゆとりですがなにか」の童貞の小学校教師・山路一豊役と実にさまざまだった。「20代後半から“いろいろな色の役や作品をやっていこう”とマネージャーさんとも話をしていた最中にいただいたお話だったので、これは本当に、30代に向けてすごくいい経験になると思いました。出来る限りのことをやりました。…20代後半でやれることは全部やったので、ある種、悔いはないです。いろいろな作品の扉を見つけることができたので、30代は扉を開けて、その色を濃くしていくのがメインになっていくと思います。そこから40代につなげたいですし」と決意を語ってくれた。
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