さびれた港町・魚深に移住してきた6人の男女。市役所に勤める月末は、彼らの受け入れ担当を命じられた。次第に違和感を抱き始める月末。やがて驚きの事実を知る。彼らは全員、元殺人犯。それは刑務所のコスト削減と地方の過疎対策を兼ねた、極秘の国家プロジェクトだった。・・同じ人間でありながら、全く違う価値観と事情を抱え、それぞれの世界を生きる。同じ人間でも、全く別の生き物。互いに見知らぬ人々がある日突然、小さな町に集まり、暮らし始める。彼らが関わり合う時に生じる微かな空気の振動が、終始スクリーンを揺らしていました。接する相手によって温度や距離感が変わるのは自然な事で、その調節を普段わたしたちは無意識に、瞬間的にしているわけだけれど第三者としてじっくり見ると、改めて面白い。ひたすら翻弄され続ける主人公・月末の豊かな表情に注目。そしてクリーニング店の店主を演じる安藤玉恵さん。本作でもすてきな味を出していらっしゃいます!『羊の木』は2月3日(土)よりロードショーです。